【車中泊に回転シートを】じっくり見たい、ハイエースのキャンピングカー

公開 : 2021.10.25 20:25  更新 : 2021.10.25 21:28

スーパーロング/ハイルーフの「ハイエース・キャンパー」を撮影。1列目のシートが180°回転するので、ダイニングはすっきり広々。じっくり見てみましょう。

「ホワイトハウス・エスコート」とは

ホワイトハウスのキャンピングカー部門が送り出す「エスコート」は、車室という概念を超えた大人の「移動式隠れ家」をテーマとしている。

リビングとして、書斎として、好奇心をくすぐりながらも安心感を与えるクルマとして開発。人生をエスコートすることから車名にその名が与えられた。

ホワイトハウス・エスコートのボディサイズは全長5380mm、全幅1920mm、全高2390mm。撮影車両はガソリン4WD仕様で、オプション込みの価格は781万4400円。
ホワイトハウス・エスコートのボディサイズは全長5380mm、全幅1920mm、全高2390mm。撮影車両はガソリン4WD仕様で、オプション込みの価格は781万4400円。    AUTOCAR JAPAN編集部

ハイエース・キャンパー特装車(スーパーロング・ハイルーフ仕様)がベースで、キャブコン並みの本格的なレイアウトと充実した装備が特徴。

広いダイニング、独立したキッチン、トイレとしても使えるマルチルーム、後部の常設ベッドというキャブコンに遜色ない内容となっている。

ボディサイズは全長5380mm、全幅1920mm、全高2390mm。

室内高1630mmというゆとりの空間をフルに活用したレイアウトは、乗車定員4名・就寝人数4名に対応するから家族で休暇を過ごすのにはぴったりの選択肢なのだ。

スライドドアを開くと目に飛び込むのが、ゆったりとしたダイニング・スペースである。

2つのベッド そのサイズは?

ハイエースをベースにした場合は、2列目と3列目シートの間にテーブルを配置するものが多い。

それがエスコートでは、運転席/助手席を“回転式”にして後ろ向きにできることにより、2列目シートとの間に大きなテーブルを設けられる。

ホワイトハウスキャンパーが独自開発したハイエース用フロント回転シート。1列目シートと2列目の間が、ゆとりのあるダイニングになる。
ホワイトハウスキャンパーが独自開発したハイエース用フロント回転シート。1列目シートと2列目の間が、ゆとりのあるダイニングになる。    上野和秀

この仕掛けによって、ゆったりとしたダイニング・スペースは見るからに広い。

キッチンは車内の左サイドに配置され、スライドドア開口部の中ほどまで延長することにより、水タンク、40Lの冷蔵庫、電子レンジまでを使い易く組み込む。

また2列目シートをベッド状態にしても通路が残るレイアウトで、冷蔵庫、シンク、マルチルームなどを常に自由に行き来できる点は、キャブコンと変わらないことに注目したい。

2列目シートを倒し油圧式ダンパーが組み込まれたテーブルを押し下げ、補助マットを置けば、1800×1000mmのセミダブルベッドが出現する。

そして後部に設けられた常設ベッドは、進行方向と直角に寝る配置。ベッドサイズは1870×1200mmで2人が休むことができる。

ボディ右サイドの窓部分にはFRP製のエクステンションボックスを取付け、窓部分の室内有効幅を拡大。これにより常設ベッド部分では最大1870mmの室内幅を確保した。

荷室/マルチルーム/価格について

ベッドの下には、スクエアなラゲッジスペースを用意。ベッドマットは分割式のため、大きな荷物を積む際は簡単に取り外すことができて使い勝手がいい。

ダイニング・スペースと常設ベッドの間には収納/トイレとしても利用できるマルチルームが設けられ、用途・好みに応じて使える有用なスペースとなる。

車体後部の常設ベッドは1870×1200mmというサイズ。ベッドマットは分割式のため、大きな荷物を載せたい時などは取外しも容易。
車体後部の常設ベッドは1870×1200mmというサイズ。ベッドマットは分割式のため、大きな荷物を載せたい時などは取外しも容易。    上野和秀

ホワイトハウスの「エスコート」には2.7Lガソリン・エンジンと2.8Lディーゼル・エンジンをラインナップ。駆動方式は2WD/4WDが選べ、すべてAT仕様だ。

価格は、2.7Lガソリン・エンジン2WDの649万円から、2.8Lディーゼル・エンジン4WDの729万3000円という値付け。

主なオプションとして、DC12Vクーラー(42万9000円)、バッテリー増設セット(16万5000円)、チルト・スイベル(前席回転)シート(片側9万9000円)は欠かせない。

現時点での納期だが同社にキャンピングカーの注文が殺到しているため、今からオーダーすると1年半ほど必要になるという。

「エスコート」はキャンパーであることを感じさせないさり気ないエクステリアと、入念に仕立てられ我慢させないインテリアで、本物を知る大人のアウトドアフリークにとって見逃せない1台となるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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