軽スーパーハイトワゴンに強力な選択肢!新型日産ルークスはN-BOX、スペーシア、タントの3強にどこまで肉薄?【公道で実力をチェック】

公開 : 2025.12.08 11:00

今年8月に先行公開され、9月に車両価格なども正式発表、そして10月から発売された軽自動車のスーパーハイトワゴン、『日産ルークス』。この度、ようやく公道で試乗することができました。篠原政明のレポートです。

シニア世代男性が乗っても違和感ない

今年8月に先行公開され、9月に車両価格なども正式発表、そして10月から発売された軽自動車のスーパーハイトワゴン、新型『日産ルークス』。この度、ようやく公道で試乗することができた。

いまや軽自動車市場の半数以上が、全高1700mm以上のスーパーハイトワゴンとなった。その所有者の半数以上がポストファミリー世代、つまり子育ての終わった夫婦や、友人や仲間と過ごす、もしくは単身で生活を楽しむといった世代が中心だという。

10月から発売された軽自動車のスーパーハイトワゴン、新型『日産ルークス』。写真はターボ。
10月から発売された軽自動車のスーパーハイトワゴン、新型『日産ルークス』。写真はターボ。    平井大介

そんなユーザー層の中でも、特に40代女性をターゲットに据えたというルークスだが、内外装は女性に媚びたような点は感じさせない。

『ROOMY×MAX』が車名の由来である『ルークス(ROOX)』だけあって、パッケージングを見直した室内は十分に広く、サイズ以上に大きく感じさせる前後のデザインなど、なかなか秀逸。シニア世代の男性が乗っていても違和感はないだろう。

乗り込むと実際に広いのだが、視界の良いコクピットがそれ以上の広さを感じさせる。12.3インチの統合型インターフェースディスプレイが広がるインパネまわりは、もはや軽自動車とは思えない質感の高さだ。振り返れば、リアシートまで十分以上の空間が上下にも広がっている。

エクステリアのディテールと呼応した『かどまる四角』のモチーフはインテリアのさまざまな部分にも採用され、オシャレ心と遊び心があって、なかなか楽しい。これなら飽きにくいし、永く付き合えるのではないだろうか。

ノンターボでも必要十分なパワーだが

プレゼンテーションで新型ルークスのアウトラインを再確認してから、まずはノンターボの『X』(FF)から試乗開始。インテリジェントアラウンドビューモニターやインフォテインメントシステムなど、『欲しい』メーカーオプションは装着済みだ。

今回の試乗は横浜の市街路が中心だが、走り出して少し気になったのは、思ったほど乗り心地が良くないこと。不整路面や継ぎ目などで突き上げを感じる。気になったので後で別の個体に試乗してみたところ、乗り味はまったく異なり、かなりスムーズだった。初期ロットの個体差や、アタリがついていないといったせいかもしれない。

こちらはノンターボの『X』。街中を走る限りは必要十分なパワーがある。
こちらはノンターボの『X』。街中を走る限りは必要十分なパワーがある。    平井大介

新型ルークスはターボ、ノンターボともマイルドハイブリッドを廃したが、エンジンやCVTのリファインで燃費性能や動力性能は目標値に達したということで、実際ノンターボでも街中を走る限りは、必要十分なパワーがある。発進時に少し強めにアクセルペダルを踏むとエンジン回転が上昇して車速がついてこない、いわゆるCVTのラバーバンド現象は抑えられている。エンジン音も不快なものでなはい。

軽自動車初のグーグル搭載コネクテッド機能の出来は良く、「OKグーグル、○○へ行きたい」と呼びかければ的確に目的地を提示してくれる。内外装の質感も高く、ファーストカーとしても十分に使える。市街地走行がメインのユーザーだったら、ノンターボでも問題ないと思わせてくれた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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