トヨタ新型『GR GT』初公開 650ps超のV8スーパーカー、2027年頃発売へ AMG GTなどに対抗【UK編集部の視点】
公開 : 2025.12.08 07:25
トヨタが新型スポーツモデル『GR GT』とそのレース仕様『GR GT3』を発表しました。ハイブリッドの4.0L V8ツインターボを搭載した2人乗りスーパーカーで、2027年頃に発売予定とされています。
公道を走るレーシングカー
トヨタはついに、新型のフラッグシップスーパーカー『GR GT』と、そのレース仕様『GR GT3』を発表した。最高出力650ps以上のV8エンジンを搭載し、2027年頃の発売を目指す。メルセデスAMG GTやアストン マーティン・ヴァンテージに対する強力なライバルとなるだろう。
GR GTという名称はトヨタの高性能部門ガズー・レーシング(GR)にちなんだもので、開発コンセプトは「公道を走るレーシングカー」だという。公道走行用のスポーツモデルとFIA GT3規格のレース仕様が同時に発表されたのもそのためだ。

トヨタは「高い運動性能を実現することはもちろん、クルマとの一体感を得られ、どこまでもクルマと対話しつづけられることを目指した」と説明している。そのために、同社会長であり「マスタードライバー」でもある豊田章男氏が、日本を代表するレーサーたちの協力を得ながら開発に携わっている。
GR GT、GR GT3、そしてEVのレクサス『LFA』の3台は、「トヨタの式年遷宮」と表現されている。式年遷宮とは、日本の神社で行われる伝統行事で、一定の年月ごとに社殿を新しく建て替え、神様を新しい社殿に移す儀式のこと。トヨタはこの言葉に、自動車メーカーとして残すべき技能を、次の世代に受け継いでいくという思いを込めたという。
「クルマづくりの秘伝のタレ」を継承するため、初代LFAの開発に携わった人材が、新型スーパーカーの構想段階から積極的に関与している。
FRレイアウトのV8ハイブリッド
GR GTは、新開発の4.0LツインターボV8エンジンのハイブリッド仕様を採用している。炭素繊維強化プラスチック製トルクチューブを介して後輪に650ps以上の出力と86.7kg-m以上のトルクを供給するが、トヨタによれば開発は継続中であり、最終的にはさらに性能が向上する可能性もあるという。
最高速度は少なくとも320km/hを目標としているが、それ以外の性能数値はまだ公表されていない。ただし、0-100km/h加速タイムで3.5秒台の達成は十分可能だろう。

エンジン本体は「徹底的に小さく、軽く」設計したとされる。ターボチャージャーをシリンダーバンク内に配置する「ホットV」形式に加え、ドライサンプ潤滑システムと薄型オイルパンを採用した。
トヨタはこのエンジンの開発に多大な時間と費用を投じているため、他の用途にも活用することは間違いないだろう。ただし、具体的な用途についてはまだ示されていない。重要なのは、このエンジンを「さらに厳しくなる排出ガス規制」に対応させ、継続的に生産を続ける方針を掲げていることだ。
エンジンサウンドにも焦点が当てられている。トヨタは「高い動力性能を提供するのみならず、V8ツインターボならではのレーシングサウンド」を追求した。排気系は「クルマと対話できる」、「熱量変化を感じさせる」サウンドを目指しているという。
トランスミッションは完全新設計の8速オートマティックで、メルセデスAMG GTの7速ATと同様に、トルクコンバーターではなく湿式クラッチを採用した。機械式リミテッドスリップデフと組み合わせ、「動力をタイヤまでダイレクトに出力」する。
電気モーター(仕様未公表)はトランスミッション前方に配置され、変速時のトルクロスを解消する役割を担う。
































