ピニンファリーナ・バッティスタへ試乗 4モーターで1902ps 0-300km/h 12秒 前編

公開 : 2021.12.15 08:25

穏やかな乗り心地に素晴らしい操縦性

サーキット走行の前に、公道でバッティスタを味わった。ドライブモードには5段階が用意される。カルマという1番穏やかなモードから、順に得られるパワーが増えていく。

モードを切り替えるロータリースイッチは、上品な重み付けで、クリック感が心地良い。カルマ・モードでも405psが得られる。次がコンフォートに相当するプーラ(ピュア)。これで1014psの解放が許される。

ピニンファリーナ・バッティスタ(欧州仕様)
ピニンファリーナ・バッティスタ(欧州仕様)

アクセルペダルのレスポンスは、純EVの基準でいえばマイルドな部類。恐らくタイヤがついていけないのだろう。打たれるような瞬発力はあるが、パワーは線形的に高まっていく。一般道でも許容できる範囲だ。

ドライブモードの切り替えで、パワーだけでなくステアリングホイールの重み付けや、ダンパーの硬さも変化する。モードを問わず乗り心地は穏やかで、姿勢制御も好印象。操縦性も素晴らしい。反応はリニアで正確だ。

カーボン製モノコックは非常に剛性が高い。サスペンションが吸収しきれなかった路面からの衝撃が車内へ伝わり、振動音を立てる。右足の辺りからは、跳ね上げた石が当たる音も聞こえてくる。

ブレーキペダルを踏み込むと、カチッという感触と同時に、回生ブレーキで生じる電気的な唸りが響く。走行中は最上級のグランドツアラー並みに静かではないが、一般道の速度域でも運転は楽しめる。高速道路で加速すれば、秘めた能力の片鱗を垣間見れる。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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