ボルボ、ベルギー工場の余剰生産能力を他ブランドに提供か 政府から1億1900万ユーロの支援獲得へ

公開 : 2026.07.22 07:05

ボルボは、『XC40』や『XC30』を生産するベルギーのヘント工場の余剰生産能力を他ブランドに提供することを検討しています。競争力強化のため、ポールスターやLynk&Coなどの電動モデルを生産する可能性があります。

ベルギー政府と覚書締結

ボルボは、ベルギーのヘントにある生産工場の一部を他ブランドに開放することを検討している。

ヘント工場の競争力強化のため、ボルボはベルギー政府と覚書を締結し、最大1億1900万ユーロ(約220億円)に上る支援パッケージを受け取る方針だ。

ボルボは工場の余剰生産能力を活用しようとしている。
ボルボは工場の余剰生産能力を活用しようとしている。

ボルボの第2四半期決算説明会で、ホーカン・サミュエルソンCEOは余剰生産能力を他社に提供する可能性を明らかにし、「他のブランド、もちろん、それはジーリー(吉利汽車)傘下のブランドである可能性もります」と述べた。中国のジーリーは現在ボルボの親会社である。

ヘント工場では現在、ボルボの中で2番目に売れている『XC40』に加え、その関連モデルの『EX40』や『EC40』、小型モデルの『EX30』が組み立てられている。

ボルボは以前、欧州市場向けのEX30の生産を中国河北省張家口からヘントに移管した。これにより、欧州連合(EU)が中国製EVに課している輸入関税を回避することも可能となった。EUは中国で製造されたジーリー・グループのEVに対し、18.8%の関税を課している。

ポールスタースマートなどを生産?

ヘントで新たに生産する可能性が高いのは、XC40、EC40、EX30と同じプラットフォームをベースにしたジーリー・グループの他のモデルだ。XC40のコンパクト・モジュラー・アーキテクチャー(CMA)は、ポールスターやLynk&Coなどの複数のモデルで採用されている。

一方、EX30のサステナブル・エクスペリエンス・アーキテクチャー2(SEA2)は、スマート#1、スマート#3、ジーカーXといった電動クロスオーバー車に採用されている。

ボルボEX40
ボルボEX40

サミュエルソン氏は、余剰生産能力を他ブランドに提供することがヘント工場にとって「最も現実的な」選択肢だと述べたが、その前に克服すべき規制上のハードルがあることを強調した。

サミュエルソン氏はまた、同工場で新世代モデルの生産が行われることを認めた。

XC40は、特に欧州におけるボルボの販売にとって極めて重要なモデルである。一方、小型のEX30は2026年上半期にXC60、XC40、XC90に次ぐ第4位の販売台数を記録した。

「最優先事項は、ヘントでの生産を継続することです」とサミュエルソン氏は述べた。さらに、同工場の「競争力を維持する必要がある」としつつも、「ボルボはそこで生産することにまったく不安はない」と付け加えた。

ボルボの最高財務責任者(CFO)であるフレドリック・ハンソン氏は、「極めて競争力のあるコスト水準で将来を見据えた工場を建設できるよう、ベルギー政府から非常に明確な支援を得ています」と述べた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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