エンジンの「リズム」を楽器で表現 ベントレー新型EV『トルカル』、壮大なオーケストラのような走行音を導入

公開 : 2026.07.21 07:05

ベントレーは新型EV『トルカル』において、ドラムやヴィオラといった楽器を用いてエンジン車と同じような運転体験を表現しようとしています。単に音だけを再現するのではなく、生命感ある「リズム」に着目しています。

ドラムを使った斬新なアプローチ

ベントレーは、同社初の市販EV『トルカル』において、楽器を用いて大排気量V8エンジンの音色を表現すると発表した。内燃機関の轟音を、オーケストラのようなサウンドに置き換える。

ヒョンデアイオニック5 Nのようにエンジン音を合成したり、フェラーリ・ルーチェのように電気モーターの実際の機械音を増幅したりするのではなく、ベントレーの新型トルカルはまったく異なるアプローチを採用している。

ベントレー・トルカルの予告画像
ベントレー・トルカルの予告画像    ベントレー

トルカル独自の「エンジンサウンド」を創り出すにあたり、1930年代の初期のスーパーチャージャー付きエンジン、長きにわたり採用されてきた6.75L V8、そして近年のW12など、自社の歴史に刻まれた「名エンジン」からインスピレーションを得たという。

ベントレーは、加速時にエンジン車のような「没入感と高揚感に満ちた」体験を実現することを目指し、これを「壮大なオーケストラの演奏を聴くような」感覚と表現している。

わずかな揺らぎが生み出す「生命感」

ベントレーはスタジオにV8エンジンを設置し、その音響特性を分析した結果、機械的な音色よりもリズムこそが「感情を揺さぶるサウンドの魅力の本質」と結論付けた。V8エンジンをドラムの生演奏と比較したところ、「力強さやリズムの抑揚、さらには人の感情を揺さぶることにおいて、驚くほど多くの共通点」があったという。

また、エンジンのサウンドは「完全に均一ではなく」、むしろ微妙な揺らぎや不均一さを含み、それが「生命感」を与えるということを見出した。

ベントレーはエンジンの「音」ではなく「リズム」に着目し、ドラムなどの楽器で再現を試みた。
ベントレーはエンジンの「音」ではなく「リズム」に着目し、ドラムなどの楽器で再現を試みた。    ベントレー

こうして完成したのが『ベントレー・ダイナミック・シンフォニー』であり、同社のウェブサイトやYouTubeのベントレー公式チャンネル(@bentleymotors)で聴くことができる。

ベントレー・ダイナミック・シンフォニーは「エンジンサウンドを再現するためではなく、ベントレーならではの走りがもたらす高揚感や感動を呼び起こすため」に設計されたものだ。主にドラムを用いてV8エンジンの重低音を表現するほか、ヴィオラやベースギターも使用され、走行中に「力強さと豊かな情感」を兼ね備えたサウンドを生み出すという。

ベントレーによると、このサウンドはドライバーの操作にも反応するとのことで、詳細は不明ながら加速時にはテンポが上がり、減速時には下がると思われる。

新型トルカルは、9月23日にロンドンで正式公開される予定だ。

記事に関わった人々

  • フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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