軽トラのボディカラー コスパが肝の軽トラにいろんな色を用意するワケ

公開 : 2021.12.20 05:45

現代にあわせた「進化」

そんな軽トラは、戦後の日本で主流となっていたオート三輪と呼ばれる貨物車が、その始まりといわれている。

その後1955年にスズキが同社初となる四輪車「スズライト」のバリエーションの1つとしてピックアップトラックを発売。

旧型スバル・サンバートラックに設定された「WRブルーリミテッド」は中古車市場で人気
旧型スバルサンバートラックに設定された「WRブルーリミテッド」は中古車市場で人気    スバル

1960年には、東急くろがね工業がフルキャブ型の軽自動車「くろがねベビー」を発表し、そのトラック型が現在の軽トラの元祖となった。

このように軽トラは、戦後の高度経済成長という時代のなかで、実用性とコストパフォーマンスの高い商用車として進化した。

そして、多様性を重視する現代に合わせた形での新たな進化の形態が、「スーパーキャリイ」のようなキャビンに余裕を持たせる形での快適性の向上や、カラーバリエーションの拡充といった結果となったといえるのではないだろうか。

そうして現在、商用車としての荷物を運ぶ実用的なクルマというだけでなく、生産者が軽トラの荷台に産地直送の農産物などを積んで集まり、そのまま市場を開く軽トラ市や、リーズナブルな上にタフで便利という軽トラの利点を応用する形で、アウトドア仕様にカスタムして趣味を楽しむ軽トラキャンパーなど、軽トラの使い方はユーザー次第。

驚くほど幅広い用途で活用されており、仕事に使えるクルマから仕事と趣味を両立できるクルマに進化しつつあるのだ。

そう考えると、軽トラのボディカラー拡充は必然。

ホワイトだけでいいという固定概念こそが、時代遅れなのかもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    先川知香

    Chika Sakikawa

    ツインリンクもてぎで見たMotoGPの一糸乱れぬコーナリングを見て、バイクでのサーキット走行に興味を持ち、モータースポーツの世界へ。乗り物を操作する事の楽しさに目覚め、モータージャーナリストに。愛車はトヨタ86/カワサキZ400/GASGAS TX200。大型自動二輪免許に加え、暇だったという理由で大型一種免許を取得した。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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