【カスタムは卒業?】ダイハツ・ムーヴが7代目にフルチェン!スライドドア採用、ワンコンセプトフォルムに拘り

公開 : 2025.06.05 11:00

6月5日、ダイハツは軽乗用車の『ムーヴ(MOVE)』をフルモデルチェンジして発売しました。1995年に初代が登場し、今回が7代目となります。篠原政明がその概要を紹介します。

軽自動車にスライドドアは欠かせない?

6月5日、ダイハツ工業(以下、ダイハツ)は軽乗用車の『ムーヴ(MOVE)』をフルモデルチェンジして発売した。その概要を紹介しておこう。

ムーヴは、いわゆる『ハイトワゴン』と呼ばれる軽乗用車だ。ちなみに、車高が1700mm以上あり、両側のリアサイドドアにスライド式を採用しているワゴンタイプの軽自動車を『スーパーハイト』、1550〜1700mmくらいでボンネットは短めで室内スペースを広くとったモデルを『ハイトワゴン』と呼ぶのが一般的になっている。

7代目となる新型ダイハツ・ムーヴが登場。
7代目となる新型ダイハツ・ムーヴが登場。    ダイハツ

ムーヴは初代が1995年に誕生し、今回の新型は7代目にあたる。ただし2014年に登場した先代の6代目は2023年に生産を終了し、7代目に世代交代する予定だったが、ダイハツの一部車種で認証手続きの不正が発覚し、再発防止策の実施が済むまでフルモデルチェンジの発表が無期限延期された。

一連の認証不正問題への対応に関しては、2025年1月に国土交通省へ提出した書類において、再発防止に関するすべての項目が『実施済み』または『継続して実施中』となり、ようやく新型ムーヴが発表されることになった。

ワンコンセプト、ワンシルエット

ムーヴは初代登場から2025年3月までに累計で340万台以上を販売(ダイハツ調べ)してきたが、軽自動車の主流はムーヴのようなハイトワゴンからタントのようなスーパーハイトに移り、いまやスーパーハイトが全体の5割を占めている。

また、利便性も高く、子どもやお年寄りが乗り降りしやすいスライドドアも定番化し、軽乗用車のスライドドア比率は約6割に達している。

新型ムーヴでは、ハイトワゴンながらスライドドアを採用。カスタムは設定されない。
新型ムーヴでは、ハイトワゴンながらスライドドアを採用。カスタムは設定されない。    ダイハツ

そこで新型ムーヴでは、ハイトワゴンながらスライドドアを採用。ムーヴらしいスタイリッシュなデザインにスライドドアも採用し、全方位で軽ハイトワゴンとしての魅力を進化させた。

なお、今までは標準系の『ムーヴ』とカスタム系の『ムーヴカスタム』を設定していたが、新型ではカスタム系は設定されていない。これは、ユーザー層の変化に合わせてムーヴらしさを追求した結果、『ワンコンセプト、ワンシルエット』のムーヴということになったようだ。

『動く姿が美しい、端正で凜々しいデザイン』

新型ムーヴの外寸は、全長3395mm、全幅1475mm、全高1655mm、ホイールベース2460mm。この数値は、先に登場しているスライドドアを備えたハイトワゴン、ムーヴ・キャンバスと同じだ。新型ムーヴはムーヴ・キャンバスと同じDNGA(ダイハツ・ニュー・アーキテクチャー)により開発され、プラットフォームを共有している。

もちろん、スタイリングはまったくの別もの。コンセプトを『ムーヴらしい“動く姿が美しい”端正で凜々しいデザイン』とし、フロントフェイスからテールランプへと吹き抜けるキャラクターラインやウインドウグラフィック、動きのある表情を持たせたフェンダーやリアピラーが軽快に走りそうな躍動感を表現している。

コンセプトは『ムーヴらしい“動く姿が美しい”端正で凜々しいデザイン』。
コンセプトは『ムーヴらしい“動く姿が美しい”端正で凜々しいデザイン』。    ダイハツ

フロントまわりではグリルとヘッドランプをシームレスにコンビネーションさせて、大胆かつ先進的に表現した。スッキリとした面と線との構成で、凜々しく端正な印象を演出している。またムーヴらしさのポイントとして、初代から受け継がれてきた縦型テールランプを継承している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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