ウーリン・ホングアン・ミニEVへ試乗 51万円のマイクロ純EV 価格以上の完成度

公開 : 2021.12.27 19:05

驚くほど安価な小型純EVが、中国で拡大を続けています。英国編集部が人気トップの1台へ試乗しました。

徹底的な簡素化で約51万円

現在英国で購入できる最も安価な自動車は、ダチア・サンデロというBセグメントに属する小さなハッチバック。英国価格は9845ポンド(約149万円)からだ。

さらに小さく、タイヤが4本付いているマイクロカーで良ければ、シトロエン・アミという純EVがある。英国導入はこれからだが、予想価格は6000ポンド(約91万円)を切るという。

ウーリン・ホングアン・ミニEV(中国仕様)
ウーリン・ホングアン・ミニEV(中国仕様)

もっと手頃な都市部での移動手段をお探しなら、中国に1択がある。この土地で最も安く買えるマイクロカーが、ウーリン・ホングアン・ミニEV。英国通貨に換算すると、3400ポンド(約51万円)でお求めいただける。

当然ながら、ここまで安い電気自動車は中国で高い支持を集めている。1年間に約37万台も売りさばいているという。

シャンチートンヨン・ウーリンという自動車メーカーは、ベトナムとの国境に近い柳州(リュウシュウ)で2002年に創業した。ゼネラルモーターズと上海汽車 (SAIC) とによる中国の合弁企業だ。

その1ブランド、ウーリンが生産するホングアン・ミニEVは、3ドアのマイクロ純EV。過去にも似た例は数台あったが、販売数をこれほど伸ばしたクルマは過去になかった。

この成功を導いた理由の1つが、徹底的な簡素化。恐らく、ホングアン・ミニEVは開発開始から1年ほどで量産に至っている。本物を目の当たりにすると、その粗削り感が伝わってくる。

同じシャンチートンヨン・ウーリン傘下にあるバオジュン・ブランドには、E300という名のよりスタイリッシュなマイクロ純EVが存在する。それと比較すると、ミニEVの簡素さが際立つ。

実用主義な車内には大人4名が乗れる

四角いボディの高い位置にウエストラインが走り、小さな12インチ・タイヤが四隅に収まる。見た目は本当に箱型だ。

今回ご紹介するのは、ホングアン・ミニEVに最近追加となったマカロン。パステルカラーのボディに白いホイールキャップ、最低限の安全装備が追加された上級仕様となる。運転席側のCピラーに、マカロンとロゴが入る。

ウーリン・ホングアン・ミニEV(中国仕様)
ウーリン・ホングアン・ミニEV(中国仕様)

インテリアは実用主義。ネジが露出し、パネル類はプラスティック製であることを隠さない。ドアハンドルやカップホルダーなどに、ボディと同色のパステルカラーが配され、少し華やかに仕立ててある。

メーターパネルはモニター式で、デジタル技術を感じる唯一の部分。スピードや航続距離など、運転に必要な情報を綺麗なグラフィックで表示してくれる。しかも、バック時は後方の映像を確認できる。

サイドウインドウを開閉するスイッチは、センターコンソール上。ATでいうパーキングはなく、駐車時はハンドブレーキ・レバーを引くだけだ。

全長は2920mmと短いものの、大人4名が乗れなくはない。ドアは2枚で、リアシートへのアクセスはフロントシートの後ろからだから、乗り降りはタイト。足もと空間も広いとはいえない。

リアシートにはヘッドレストがない。長旅は疲れそうだし、むち打ちにも気をつけたい。4名乗車時は、荷室はほぼゼロ。薄いブリーフケースなら入るだろうけれど。

小さな荷室空間のフロア下には、充電ケーブルが収まる。荷室を広げたい場合は、ストラップを引くことでリアシートを折りたためる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・アンドリュース

    Mark Andrews

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

関連テーマ

人気テーマ

おすすめ記事

 

EVの人気画像