トヨタ・クラウンどうなる 2023~24年登場? SUV化、それともEV化?

公開 : 2022.01.02 08:25

どうしたって注目せずにはいられないトヨタ・クラウンの未来について、桃田健史が考えてみました。

トヨタ地元発の衝撃報道

2020年11月、驚きのニュースが飛び込んできた。

トヨタ地元の中京地方の代表的な新聞社である中日新聞が、「次期クラウンがSUVになる」と大きく報じたのだ。

この報道に対して、トヨタはノーコメントを貫いた。

一方で、自動車専門メディアの多くが「次期クラウンSUV化」の真相に迫るべく、販売店からの情報などを基にこれまで定期的に記事化してきた。

だが、本稿執筆時点(2021年末)では、次期クラウンに関する正確な情報はトヨタ周辺から伝わってこない。

そうした中、直近でのトヨタ関連ニュースとしては2021年12月14日、「バッテリーEV戦略に関する説明会」の衝撃が極めて大きい。

2030年までに、グローバルでバッテリーEVのみの年間販売台数を350万台にするというのだ。

2021年5月時点では、バッテリーEVと燃料電池車の合計で年間200万台という達成目標を掲げていたが、それを一気に150万台増という驚きの方針転換だ。

こうしたトヨタの新しい動きの中で、先般から噂が絶えない「次期クラウンSUV化」についても当然、深い関わりが出てきそうだ。

言い方を換えれば、「次期クラウンSUV化」の可能性は十分に高いのではないだろうか。

次期クラウンの行方について、様々な視点で考えてみたい。

高度成長期の象徴

まずは、クラウンがこれまで辿ってきた道のりを振り返ってみたい。

「いつかはクラウン」。トヨタがテレビCMなどで愛用してきた、クラウン向けのマーケティング用語だ。

トヨタbZラージSUV
トヨタbZラージSUV    トヨタ

60年代から70年代にかけて、日本は経済の高度成長期にあった。自動車については、庶民が自家用車を持つことが当たり前のようになり、その自家用車をオーナー自身の年収アップに応じてアップグレードするという風潮があった。

トヨタでは、パブリカやカローラというエントリーモデルから、コロナ、カリーナ、マークII、そしてクラウンへといった、オーナー自身の「ステータス階段」が描かれた。

「いつかはクラウン」とは、トヨタにとってクラウンが最上級であり、クラウンまで到達することが庶民にとっての憧れ”という、トヨタが築いた事業戦略だ。

それが80年代から90年代になると、トヨタではアメリカでレクサスが生まれた。

これは「クラウンの先」を意味することであり、クラウンユーザーにとっては「いつかはレクサス」というさらなる階段が用意されたようにも思えた。

それでも、当時のトヨタ店を中心としてトヨタ既存顧客は、トヨタ最上級車であるクラウンの存在意義を認め、クラウンの販売台数が急減することにはならなかった。

ところが……。

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?

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