氷上ドリフト対応の四輪駆動 メルセデス・ベンツEQE 500 4マティック 試作車へ試乗

公開 : 2022.03.19 08:25

最新基準でも絹のように滑らかで静か

走行時の洗練性は、EQEで特に感動する部分。最新の純EV基準でいっても、絹のように滑らかで静か。EQSにも通じる強みだろう。

ステアリングホイールの感触は、典型的なメルセデス・ベンツらしくダイレクト。EQSより、少し重めのようだ。全長は4946mmあるものの操縦しやすく、スピードが増すほどに手応えが高まり、操る自信も高まっていく。

メルセデス・ベンツEQE 500 4マティック・プロトタイプ
メルセデス・ベンツEQE 500 4マティック・プロトタイプ

動力性能も期待以上。よりコンパクトなモデルのように、意欲的に鋭く加速する。0-100km/h加速は、5.0秒前後になるだろうと担当者は話していた。

ほぼ無音で、瞬時にトルクが立ち上がる純EVだけに、氷上のように滑りやすい路面での運転は難しいと想像するかもしれない。しかし、知的な四輪駆動の4マティック・システムと、スタビリティコントロールの能力が発揮される環境でもある。

実際、瞬間的で安定的に前後左右のタイヤへ個別にトルクが分配され、感心するほどトラクションは高い。挙動も充分予想しやすいと感じた。

S字カーブも巧みに処理。カウンターステアを当てながら、スピードを保って抜けることができた。オプションの後輪操舵システムも、クルマとの一体感を高めていたようだ。ソリッドなフィーリングは、EQS以上に剛性の高いボディも貢献しているという。

実際に運転したい人のためのサルーン

今回は寒い地域での氷上ドライブに限られたため、公道での印象はお伝えできない。そのかわり、思い切りオーバーステアでEQEを振り回すことが許された。EQSでの体験より、笑顔の時間が長かったことは間違いない。

メルセデス・ベンツEQEはEクラスのように、リアシートでくつろぐのではなく、実際に運転したいと考える人のためのサルーンだ。4月には、量産仕様へ試乗できるとのこと。その時に、改めてご報告させていただこう。

メルセデス・ベンツEQE 500 4マティック・プロトタイプ
メルセデス・ベンツEQE 500 4マティック・プロトタイプ

メルセデス・ベンツEQE 500 4マティック・プロトタイプのスペック

英国価格:7万5000ポンド(約1162万円/予想)
全長:4946mm
全幅:1961mm
全高:1512mm
最高速度:−
0-100km/h加速:5.0秒(予想)
航続距離:−
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:−
パワートレイン:ツイン同期モーター
バッテリー:90kWhリチウムイオン
最高出力:408ps(予想)
最大トルク:−
ギアボックス:シングルスピード・オートマティック

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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