メルセデス・ベンツEQE 2026年に生産終了へ 当面は最新Cクラス EQとGLC EQが代役

公開 : 2025.09.02 13:05

メルセデスのバッテリーEV、EQEとEQE SUVの生産は2026年に終了 当面は新しいCクラス EQとGLC EQが代役を担う Eクラス EQは2027年に登場予定 EQSは2026年にアップデート

EQEとEQE SUVの生産は2026年に終了

メルセデス・ベンツはバッテリーEVのラインナップ再編に伴い、Eクラスに相当するEQEと、GLEに相当するEQE SUVの生産を、2026年に終了するという。新モデル導入を踏まえた再評価で、役目を終えることになったようだ。

EQEは現在、ドイツ・ブレーメンの工場で生産され、EQE SUVはアメリカ・タスカルーサ工場で生産されている。だがしばらくの間は、新しいMB.EAプラットフォームを採用する、新型Cクラス EQとGLC EQが間接的に代役を担う。

メルセデス・ベンツEQE(英国仕様)
メルセデス・ベンツEQE(英国仕様)

後継のEクラス EQは2027年に発売予定

Cクラス EQは、2026年に欧州で発売される見込み。エアサスペンションや後輪操舵システムなどの充実オプションで、ひと回り大きいEQEとの格差を埋めたい考えだ。

GLC EQは、2025年のドイツ・ミュンヘンモーターショーで発表予定。荷室容量は570Lで、フロントのボンネット側にも128Lの収納が設けられる。最大牽引重量は、2500kgに対応するという。

メルセデス・ベンツEQE SUV(欧州仕様)
メルセデス・ベンツEQE SUV(欧州仕様)

ただしメルセデス・ベンツは、EQEとEQE SUVの生産が、2026年に終了すると公式には認めていない。広報の担当者は、「現行のモデルや将来のモデルに対する推測には、コメントしない方針です」。としている。

それでも、EQEの後継としてEクラス EQの開発が進行中で、2027年の発売予定であることは確認済み。こちらは、MB.EA-Mプラットフォームを基礎骨格にしている。

EQSは大幅にアップデート予定

2022年の発売以来、EQEとEQE SUVは定期的に改良が続けられてきた。ヒートポンプ技術や後輪駆動にできる四輪駆動システムの導入、駆動用バッテリーの容量拡大、動力性能の向上などで、実力を磨いている。

しかし、新しいCクラス EQとGLC EQに対し、パッケージングやプラットフォームでの優位性は限定的だと判断したのだろう。電動のEクラスとGLEには僅かな期間の空白が生まれるが、生産工場は改修する時間を得ることになる。

メルセデス・ベンツEQE(英国仕様)
メルセデス・ベンツEQE(英国仕様)

他方、EQEよりひと回り大きいEQSは、2026年にアップデート予定にある。EVAプラットフォームは大幅な改良を受け、パワートレインの制御電圧は800Vへ上昇。最新のシリコンカーバイド・インバーターやeATS2駆動用モーターを獲得するという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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