個性で魅了する上級サルーン シトロエンC6 英国版中古車ガイド 複雑なハイドロにご注意

公開 : 2022.06.18 08:25

新車時代のAUTOCARの評価は

能力に優れ、個性的。シトロエンC6には欲しいと思わせる魅力がある。車内空間は広々としており、フロントシート側はゆったり。リアシートも同様だ。

走りが遅いと感じることは、殆どないだろう。エンジンはパワーを滑らかに生み出し、シフトフィールは柔らかい。

シトロエンC6(2005〜2012年/英国仕様)
シトロエンC6(2005〜2012年/英国仕様)

乗り心地は良好ながら、低速域ではサスペンションが衝撃を吸収しきれない様子。ハイドロニューマチックの効果は、郊外の高めの速度域で発揮されるようだ。(2006年4月26日)

知っておくべきこと

2009年以前のC6では、ロワー・サスペンションアームのブッシュやボールジョイントが摩耗しやすく、異音が出る。社外品を探せば、ボールジョイントで単体を交換できる。

C6のハイドロニューマチックは、エンジン始動時ではなく、ドアを開いた時点で車高を持ち上げる。動かない場合は、電動ポンプや配線の不具合が疑われる。また、走行中は可能な限りボディを水平に保つ。動きが大きいなら、内部バルブの不具合かもしれない。

ハイドロニューマチックの圧力を制御する、スフェアと呼ばれる部品がC6には7個搭載されている。圧力が下がると、システムの動作にも悪影響を及ぼすため、定期的に専門ショップで点検整備を受けたいところ。

英国ではいくら払うべき?

3000ポンド(約48万円)〜3999ポンド(約63万円)

主に初期型のC6を英国では探せるが、状態は疑わしい。走行距離も24万km前後と長いものが中心。

4000ポンド(約64万円)〜6999ポンド(約111万円)

状態は良くなるものの、走行距離は16万km前後と短くない。整備履歴は残っている例が多いようだ。

7000ポンド(約112万円)〜9999ポンド(約159万円)

シトロエンC6(2008年/英国仕様)
シトロエンC6(2008年/英国仕様)

状態の良い2.7L V6ディーゼルのC6を英国では狙えるが、走行距離はまだ16万km前後。

1万ポンド(約160万円)以上

走行距離が短めで、整備記録もしっかり残る、状態の良いC6を探せる価格帯。

英国で掘り出し物を発見

シトロエンC6 2.7HDI リネージ(英国仕様) 登録:2008年 走行距離:11万5800km 価格:5995ポンド(約95万円)

フルレザーの内装にJBL社製のサウンドシステムを搭載した、珍しいC6。シトロエンUKが最初のオーナーで、その後は2名のユーザーを渡り歩いてきた。2015年以降は、シトロエンの専門ショップが面倒を見ている。

タイミングベルトは約1万5000km前に張り替え済み。7個のスフェアも、すべて新品に交換してある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ピアソン

    Mark Pearson

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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