【詳細データテスト】プジョー308 軽量さが生きる動力性能 期待どおりのハンドリング 後席は狭い

公開 : 2022.06.11 20:25  更新 : 2022.07.11 07:51

意匠と技術 ★★★★★★★★★☆

ファミリー向けハッチバックとして、よりコンパクト寄りの身を置くことは、これまでのプジョーの傾向となってきた。おそらくあのスリムな306が1993年にゴツゴツした309とバトンタッチして以来、やや平均より小さめのモデルを提示することで、さまざまな面で小さいことは利点になりうると示してきたのだ。

新型308は、じつのところそれほど小さいクルマではない。先代308よりホイールベースが55mm伸び、全長は100mm以上長い4365mm、幅も、わずかながら高さも増している。でありながら、縦横比は先代よりややロー&ワイドで、明らかにスポーティなプロポーションとなっている。

リニューアルされたライオンのバッジは、この308から導入された。404から使われた、1960年代のエンブレムの再解釈版だ。大きめのバッジの裏には、安全装備のためのセンサーが隠れている。
リニューアルされたライオンのバッジは、この308から導入された。404から使われた、1960年代のエンブレムの再解釈版だ。大きめのバッジの裏には、安全装備のためのセンサーが隠れている。    LUC LACEY

いっぽう、ライバル車と比較すると、やはりフォード・フォーカスやトヨタカローラなどよりはわずかながら短い。セアトレオンスコダ・オクタビア、ホンダシビックなどと比べても同じことが言える。

メカニズム的に先代と異なるのは、ガソリンとディーゼルのほかにプラグイン・ハイブリッドが設定されたことが挙げられる。さらに言えば、EVも準備中だ。それを可能にしたのは、ステランティスのEMP2プラットフォームがアップデートされてv3仕様となったこと。かなり大幅な改修が施されており、同じコンポーネンツは新型ヴォグゾール・アストラやDS 4などにも使用される。

308のそれは、サスペンションを見ると、フロントがこのクラスの標準的な形式であるマクファーソンストラット、リアはトーションビーム。現時点では、どのパワートレインを選んでもその点に変わりはない。

プジョーのハイブリッド180/225はどちらも前輪駆動で、1.6Lのガソリンターボに111psの電気モーターを組み合わせる。EV走行の航続距離は64kmを上回り、いずれも税制面での優位性がある。

しかし、1.2Lの3気筒エンジンを選べば、6000ポンド(約93万円)以上も節約でき、車両重量は300kg以上軽くなる。もちろん、定評あるピュアテックユニットで、131ps/23.5kg−mを発生する。

テスト車はハイエンド仕様で、車両重量は交渉値が1288kg、満タン状態では1358kgだった。最新Cセグメントとしては、これは間違いなく軽い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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