【詳細データテスト】プジョー308 軽量さが生きる動力性能 期待どおりのハンドリング 後席は狭い

公開 : 2022.06.11 20:25

快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆

これまでさまざまな仕様の308を試乗した経験からすると、快適性のスコアはこれまでの評価より高いところと低いところがある。そこは、エンジンやグレードの選択に左右される。

テストした308GTは18インチホイールを履き、心地よいしなやかさやアブソーバーの効いたプライマリーライド、路面の尖ったところでもゴツゴツ感やノイズの少ないセカンダリーライドを発揮する。これより下位の1.2ピュアテック・アリュールプレミアムに短時間ながら試乗しているが、17インチホイールだと乗り心地はより静かで快適だ。

ハイブリッドより軽い直3ユニット単体モデルは、乗り心地の面で明らかに有利だ。さらにホイールの小さい下位モデルを選べば、さらなる改善が見込める。
ハイブリッドより軽い直3ユニット単体モデルは、乗り心地の面で明らかに有利だ。さらにホイールの小さい下位モデルを選べば、さらなる改善が見込める。    LUC LACEY

対して、より重量のある1.6ハイブリッド180は、軽量な1.2モデルにある乗り心地のなめらかさや引き締まったボディコントロールが多少は犠牲になっている。結局、軽く質素で、より小さいホイールを履いた仕様こそがベスト、といういつもの結論になってしまう。

プジョーの3気筒ターボの機械的な洗練性については、なんら問題を見出せない。低回転域ではやや尖った性格があるものの、二次振動がないので、4000rpm以上でも自由に回り積極的に働こうとする感覚が得られる。

騒音計の計測値は、80km/hで65dBA、113km/hで67dBAだった。突出した数字ではないが、2020年に計測した仕様の近いフォルクスワーゲン・ゴルフよりわずかに小さかった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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