【詳細データテスト】プジョー308 軽量さが生きる動力性能 期待どおりのハンドリング 後席は狭い

公開 : 2022.06.11 20:25  更新 : 2022.07.11 07:51

猫足プジョーの再来を期待させる308の、軽量なガソリン車をテスト。独特の操縦系に難はあるものの、スペシャルな身のこなしはじつに楽しく、いまどきのCセグとしてはサイズがやや小さめ。気持ちよく付き合えるクルマです。

はじめに

プジョーがテレビやラジオ、はたまた雑誌で広告を打ち、ライオンのような自社モデルの強みを高らかに謳ったのはずいぶん前のことだ。とはいえ、それが成果を上げていただろう頃のことを覚えているひとは、1980年代終盤から1990年代初頭と現在の宣伝を比べてしまうだろう。そう、われわれのように。

徐々にプレミアムブランドへ近づこうとしているプジョーは、クッキリしたルックスと上質なマテリアルを用いた目を引くインテリア、現代の世情に合わせていける最新のパワートレインなどを投入している。英国などではシェアを大幅に回復したが、これは、2000年代半ばを通してドイツ勢に奪われたものだ。

テスト車:プジョー308 1.2Tピュアテック 130 GT
テスト車:プジョー308 1.2Tピュアテック 130 GT    LUC LACEY

とはいえ、その原動力となったのはコンパクトSUVと電動パワートレインだ。1980年代にわれわれを熱くしてくれたすばらしいハンドリングのハッチバックやセダンが復活したというわけではない。そう、205や405、406、309、そして306のようなクルの現代版にはまだ出会えていないのだ。

そんななかで登場した、新型のミッドサイズハッチバックが308だ。古き佳きプジョーのダイナミックな雰囲気が、これまで以上にハッキリ感じられるクルマだ。308の名を、ゴルフが君臨するCセグメントで使うのは、これが3世代目となる。アーキテクチャーも先代の改修版で、ボディサイズの拡大が止まらないクラスにおいては比較的小ぶりなプロポーションも受け継いでいる。

しかし、そうではあっても、先進技術と無縁なままではない。308でははじめて、PHEVが設定されるばかりでなく、来年にはEVモデルのe-308も加わることが予定されている。ただし、ボンネットの下は極力シンプルであってほしい、というユーザーに向けて、エンジンはガソリンとディーゼルのいずれもが用意されている。

そして、今回はガソリンエンジンモデルをテストすることとした。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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