濃密な感覚を味わう ヴィーズマン・プロジェクト・サンダーボールへ試乗 EVロードスター 前編

公開 : 2022.06.30 08:25  更新 : 2022.08.08 07:08

アナログメーターに3段階の回生ブレーキ

もちろん、BMW由来のシステムではない。BEVの技術はまだ黎明期といえ、世界的なサプライチェーンの滞りも長引くだろう。多額の費用を投じて開発した、独自の駆動用バッテリーやモーターをヴィーズマン社に提供することなど、現状ではありえない。

そこで同社は、同じドイツのロディング・オートモービル社と手を組んだ。2基のモーターがリアに積まれているが、左右別々にタイヤを回すわけではない。1基のヒューランド社製シングルスピードATの入力シャフトへ繋がっている。

ヴィーズマン・プロジェクト・サンダーボール・プロトタイプ(欧州仕様)
ヴィーズマン・プロジェクト・サンダーボール・プロトタイプ(欧州仕様)

また、機械式のリミテッドスリップ・デフのほかに、圧倒的なパワーを制御するトラクションとスタビリティ・コントロールも獲得する予定だという。量産段階までには。プロトタイプの試乗車には付いていなかった。ABSも。

自動車メディアへ試乗を許すことも、今回が初めてだという。少々、不安になる。

メカニズムだけでなく、プロダクトとしてもシンプルさへ拘ってデザインされている。バッテリーの温度などがデジタルモニターに表示されるが、ダッシュボードの中央付近にはアナログメーターがずらりと並ぶ。

最新モデルらしく、エコとノーマル、スポーツという3種類のモード切り替えで、最高出力を変えることができる。ローンチコントロールも備わり、回生ブレーキの強さは5段階から選択可能。ステアリングホイール裏のパドルで、即座に変更可能だ。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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