ニュルで先代よりも14秒速い ポルシェ911 ターボS カブリオレ(1) T-ハイブリッドで711ps 実用性はミドシップに勝る 

公開 : 2026.04.27 18:05

992.2型911 GTSの強化版ハイブリッドを得た、ターボS。ミドシップ以上の実用性に、存在感の強い水平対向6気筒、正確で自然な操縦性が確かな強み。UK編集部がカブリオレを評価します。

メカニズムは992.2型911 GTSの強化版

992.2型ポルシェ911の最強仕様、ターボSが英国の路上へ降り立った。誕生から半世紀が過ぎた911のターボは、遂にハイブリッド化された。20年ほど前、この名門スポーツカーが電動化技術を得ると想像した人は、殆どいなかったはず。

メカニズム的には、2025年にアップデートを受けた911 GTSの強化版といっていい。3.6L水平対向6気筒エンジンは、2基のモーター内蔵ターボで過給。8速デュアルクラッチAT内にも、電圧400Vで稼働する81psの駆動用モーターが仕込まれている。

ポルシェ911 ターボS カブリオレ(英国仕様)
ポルシェ911 ターボS カブリオレ(英国仕様)

T-ハイブリッドと呼ばれるこのシステムは、燃費より速さ重視。最高出力は711psに達し、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェを、先代の911 ターボSより14秒も速く周回できるとか。この差は、相当なものといえるだろう。

制御電圧が上昇し、エンジンブロック上部に載っていた補機類は不要になったが、空いた場所にはその高電圧用の機器を実装。エンジンの搭載位置は、僅かに落とされたという。アクティブ・アンチロールバーと、後輪操舵システムも改良を受けた。

カブリオレの車重は2シーターで1810kg

ボディは、同等のパフォーマンスを誇るスーパーカーより小柄。全長4551mm、全幅1900mmで、郊外の道での緊張感は、より少ないといえる。最新の安全基準に合致させるため、ボディ自体には強化も施されている。

車重は、ハイブリッド・システムなどによって、従来から85kg増加。クーペで1725kgだが、カブリオレの場合は更に重く、1810kgある。ちなみに、この数字はリアシートを省いた2シーター状態のもの。無償オプションで、2+2にすることができる。

ポルシェ911 ターボS カブリオレ(英国仕様)
ポルシェ911 ターボS カブリオレ(英国仕様)

ブレーキディスクは前が420mm、後ろが410mmのカーボンセラミック製。パワーアップに対応するため、タイヤサイズは後ろが10mm拡幅され、325となった。

ミドシップより間違いなく優れる実用性

インテリアは、992.2型の911で共通するが、上質で居心地が良い。プラスティック製の部品は多いものの、品質は高く、ポルシェらしいスポーティでラグジュアリーな雰囲気を乱していない。とても魅力的な場所だ。

試乗車では、ターボナイト・グレーのシートベルトとカーボン化粧トリムが、レッド・レザーを効果的に引き締めていた。もう少し、明るいカラーコーディネートも似合うだろう。ステアリングボス中央の、ポルシェ・エンブレムはクラシカルで好ましい。

ポルシェ911 ターボS カブリオレ(英国仕様)
ポルシェ911 ターボS カブリオレ(英国仕様)

エンジンのスタートスイッチは、ボタン式。911 GT3のロータリースイッチの方が、気分はアガる。シフトレバーは短いスティック状。長いレバーを懐かしむ人は多いはず。

ドアポケットは充分大きく、フロント側には、ちょっとした旅行カバンを載せられる荷室。2人でバカンスを楽しむなら、シートの後方へ大きなスーツケースを積める。ミドシップ・レイアウトより、実用性は間違いなく優れる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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