新型ジープ・コマンダー試乗 このサイズを待っていた! 唯一の「ディーゼル」出来栄えは?

公開 : 2022.10.24 16:00  更新 : 2022.10.24 16:07

ライバル不在? 唯一無二のジープ

ついついベースとなったコンパスと比べたくなる新型コマンダーだが、ステランティス・ジャパンとしてはこのクルマを現在は生産が終了してしまったチェロキーのポジションに当てはめたいらしい。

たしかにボディはコンパスよりはひとまわり大きいし、3列目シートを床下に収納した場合の荷室もコンパスよりも明らかに広め。

ジープ・コマンダー・リミテッド
ジープ・コマンダー・リミテッド    神村聖

しかも3列目を使用した場合でも、リアの荷室にちゃんとしたスペースが残されている点もボディの大きさ故であり評価できるポイントだ。

サイズ的、パワートレイン的に考えた場合のライバルはメルセデス・ベンツGLBあたりが思いつく。

だが実際にオーナーとなった場合、泥っぽい場所に踏み込めるか否かという気持ちの部分には違いがありそう。

昔のアメ車とは違うつくりの良さはもちろんだが、乗り手をワクワクさせるようなキャラクターにも現在のジープ人気を支えている秘密があると思う。

またトルクが強いディーゼルエンジンは車重に対して有効という話は先に記したが、昨今の大問題である燃料代の高騰という面においても魅力的だ。軽油はレギュラーガソリンより20円ほど安いし、その点においてもガソリンより優れるはず。

日本におけるジャストサイズであり、何かと頼りになる7人乗り。しかもディーゼルがパワーと経済性を両立させる。

新型コマンダーが、今後ジープ・ファミリーの強力なカードとなっていくことは明らかだ。

ジープ・コマンダー・リミテッドのスペック

価格:597万円
全長:4770mm
全幅:1860mm
全高:1730mm
ホイールベース:2780mm
車両重量:1870kg
パワートレイン:直列4気筒ディーゼル1956ccターボ
最高出力:170ps/3750rpm
最大トルク:35.7kg‐m/1750-2500rpm
WLTCモード燃費:13.9km/L
ギアボックス:電子制御9速オートマティック

ジープ・コマンダー・リミテッド
ジープ・コマンダー・リミテッド    神村聖

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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