日産GT-Rの「心臓」を持つハイパーカー 新型プラーガ・ボヒーマ初公開 これでナンバー付き?

公開 : 2022.11.25 06:05

チェコの自動車メーカー、プラーガは新型ハイパーカー「ボヒーマ(Bohema)」を公開しました。日産GT-Rと同じ3.8L V6ツインターボを搭載し、最高出力700psを発生させます。

公道走行可能なレーシングカー

チェコの自動車メーカーであるプラーガは、新型ハイパーカー「ボヒーマ(Bohema)」を初めて公開した。現在開発の最終段階にあり、来年の発売予定とされている。

ミドエンジン、カーボンチューブ、カーボンボディのボヒーマは、115年の歴史を持つプラーガにとって1947年以来の本格的なロードカー(公道走行可能なモデル)となる。その設計は、ワンメイクレースなどを展開するサーキット専用車「R1」から大きな影響を受けている。

プラーガ・ボヒーマ
プラーガ・ボヒーマ    プラーガ

ボヒーマとR1には、ほとんど何の共通点もなく、ゼロから作り上げた新型車である。公道を適切に走行するため、全体のサイズ感はフェラーリ296 GTBなどのスーパーカーに近い。コクピットはタイトな構造でありながら、ドライバーとパッセンジャーをそれなりに快適に乗せることができる。側面には100Lのラゲッジスペースが用意されている。

F1チームの風洞装置を利用して空力特性を磨くなど、2年をかけてサーキットでの性能を確立。現在、快適性を確保するための最終段階に入っているという。

また、パワートレインを直接固定するのではなく、クロモリ製(クロームモリブデン鋼)のサブフレームを介して中央構造体に固定することも、公道走行を視野に入れた重要なファクターである。

自動クラッチ式シーケンシャル・トランスミッションの開発も進められており、最後に手動調整式オーリンズ製ダンパーを採用したプッシュロッドサスペンションの特性を決定し、仕上げとなる予定だ。

R35 GT-Rの3.8L V6エンジンを大幅強化

しかしながら、使い勝手や快適性については大きく譲歩しており、ボヒーマが最も深く追求しているのは速さである。

車両重量は982kgを目標とし、さらに240km/hで最大900kgのダウンフォースを発生させるなど、サーキット走行重視の設計となっている。

プラーガ・ボヒーマ
プラーガ・ボヒーマ    プラーガ

パワートレインは、日産GT-Rと同じ3.8L V6ツインターボを搭載するが、最高出力は700psに高められている。また、オイル循環にドライサンプ方式を採用し、サーキット走行で発生する高い横荷重に対応するとともに、エンジンの高さを大幅に下げることに成功したという。また、ボヒーマはミドシップの後輪駆動である。

なお、GT-Rのチューニングカーでも知られる英国のチューニング会社リッチフィールドの協力の下、プラーガに対する日産のエンジンサポート体制を確立した。チーフエンジニアのヤン・マルティネクによると、エンジン候補として日産の3.8L V6とアウディの5.2L V10が選択肢に上がったものの、後者はメーカーによる継続したサポートを期待できなかったため、最終的に日産が選ばれたという。

ボヒーマの生産は、R1と同じチェコの工場で、元フォードWRCドライバーのロマン・クレスタの指揮のもと行われる。

価格は、英国では132万ポンド(約2億2000万円)からとなる予定。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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