市街地との相性は抜群 ホンダe アドバンス 現実的な価格帯での喜び 手頃で楽しいEVのベストは?(1)

公開 : 2023.09.25 19:05

市街地との相性は抜群 残念な航続距離

eは、都市部での移動手段としてデザインされ、ドライバーズカーを狙ってはいない。アバルト500eのように、ホットハッチと表現できる活発さはない。しかし、間違いなく運転が楽しい。それだけに、航続距離の短さは非常に残念だ。

ボディはコンパクトで、後輪駆動。駆動用バッテリーが小さいかわりに、車重はバッテリーEVとしては軽量な部類に入る1520kg。アバルト500eの次に軽い。

ホンダe アドバンス(英国仕様)
ホンダe アドバンス(英国仕様)

フロントタイヤには駆動力が伝わらないから、ステアリングはクリアで素直。滑らかに操れる。ドライブシャフトが邪魔をしないため、フロントタイヤの切れ角が大きく、小回りも利く。

サスペンションのスプリングはハードで、身のこなしはタイト。狭い道で運転を楽しめる。それでも、すぐにバッテリーの残量が減ってしまう。速度域が上昇すると、パワー不足も露呈してくる。

都市部での運転は、際立って面白い。「市街地との相性は抜群ですよ」。と、フェリックス・ペイジが笑顔で話す。

頻繁に充電は必要かもしれないが、車内にはコンセントとビデオゲーム機をつなげるコネクターが用意されている。駆動用バッテリーが満たされるまで、グランツーリスモもプレイできる。車内で過ごす時間も楽しめる。

運転が楽しく魅力的。個性的でも弱点がある。チャーミングな人間のように、簡単に好きになれる。ただし、誰しもへオススメできるモデルではないことも事実だ。

ホンダe アドバンス(英国仕様)のスペック

価格:3万7395ポンド(約677万円)
全長:3894mm
全幅:1752mm
全高:1512mm
最高速度:144km/h
0-100km/h加速:8.3秒
航続距離:210km
電費:5.6m/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1520kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:28.5kWh
最高出力:154ps
最大トルク:32.0kg-m
ギアボックス:シングルスピード・リダクション(後輪駆動)

この続きは、手頃で楽しいEVのベストは?(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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