マツダ・サバンナRX-7(初代)を借りてみた 滑らかなロータリーエンジン 想像以上に可愛いFB型

公開 : 2024.01.02 19:05

クラシックではないパワートレインの印象

改めて乗ってみると、エンジンとトランスミッションの滑らかさに驚く。近年では、さほど頑丈なユニットを組み合わせる必要がないため、トルクの小さいスポーツカーへMTが残されている場合が多い。そんなモデルと同じくらい、印象が優れている。

エンジンの本領を発揮させるには、しっかり回す必要がある。低速域でも扱いやすいとはいえ、意欲的に吹け上がる。アクセルレスポンスは鋭く、聴き惚れてしまうほど艷やかなサウンドを朗々と放つ。

マツダ・サバンナRX-7(FB型/初代/1978〜1985年/英国仕様)
マツダ・サバンナRX-7(FB型/初代/1978〜1985年/英国仕様)

回転数が上昇すると、振動も収まる。若干粒のあるエグゾーストノートと相まって、スズメバチの羽音のような高音が響く。

パワートレインの印象は、スタイリングやインテリアと違って、クラシックではない。6000rpmを超えると、7000rpmのレッドラインが近いことを、警告音で教えてくれる。無視していると、キャブレターが故に、それ以上回ってしまう。

操縦性も素晴らしい。ステアリングにはパワーアシストが備わらないが、素早く腕を動かせばロックトゥロック約4回転のラックを使い切れるだろう。かなりスローレシオだから、3代目RX-7のようにドリフトには向いていない。

現代の高速道路でも問題なく巡航できる

1980年代のクーペらしく、しっとり愉しむのが適している。タイヤは13インチで、185/70というサイズ。乗り心地は柔らかく、反応は素直で、安楽に乗っていられる。

ステアリングの反応も自然。コーナーを攻め込むと、比較的低いグリップの限界を迎えるまで、ボディはロールしていく。

マツダ・サバンナRX-7(FB型/初代/1978〜1985年/英国仕様)
マツダ・サバンナRX-7(FB型/初代/1978〜1985年/英国仕様)

現代の高速道路でも、問題なく巡航できる。クラシックカーとして考えると、感動するほど扱いやすい。ロータリーエンジンは、20世紀が終わって約20年が経過しても、魅力的に思えた。

マツダは、現在に相応しいクルマをデザインしてくれるだろうか。今から少しずつ貯金を始めておいた方が良いかもしれない。広島で、いつゴーサインが出されるかわからない。

※この記事のオリジナルは、2015年10月17日に執筆されました。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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