ルノー「R.S.アルティメットデイ」 タイムアタックにR.S.の歴史と記録の「生き字引」も登場

公開 : 2023.12.02 20:05  更新 : 2023.12.03 07:47

11月25日に袖ケ浦FRWでルノーのサーキット・イベントが開催されました。メディア対抗タイムアタックダービーでは、白熱した争いが繰り広げられ、もちろんAUTOCARチームも参戦、結果は如何に? リポートです。

リスキーな勝負のはじまり

自動車メディア関係者の中には「メディア対抗」という言葉に異常な情熱を燃やす一群がいる。最近はかなり少数派になってきているが、その顔触れはあまり変わらない。

今回我々にお声が掛かったのは、11月25日に袖ケ浦フォレストレースウェイで開催されたルノーのサーキット・イベント「R.S.アルティメットデイ」に含まれる「メディア対抗サーキットチャレンジ」だった。

ルノーR.S.アルティメットデイ メディア対抗サーキットチャレンジ
ルノーR.S.アルティメットデイ メディア対抗サーキットチャレンジ

なんとメガーヌR.S.のファイナルモデルである「ウルティム」の新車3台を使って、9つのメディア・チームがハイパースラロームとサーキットタイムアタックを行って覇を競う。

というだけでも太っ腹、というか車輛全損の恐れすらあるリスキーな話である。ところがさらに、ロラン・ウルゴンとフィリップ・メリメというメガーヌR.S.の歴史と記録を作り上げてきた両氏もそこに参加するという。彼らがもし日本のプレスに敗れるようなことがあったら? と考えるとこちらはファイナルを迎えたルノースポールの沽券、もしくは彼らが今後担っていくアルピーヌの未来に関わる! という意味でリスキーかも(笑)

ちなみにR.S.アルティメットデイはルノーおなじみのサーキット・イベントであり、イベント当日の袖ケ浦FRWのパドックはR.S.ファンとその愛車たちで溢れていたのである。

本気アタックで分かったR.S.の包容力

今回の競技は編集スタッフと助っ人ドライバーによる2名1チーム。AUTOCAR JAPANチームは編集部イチ速い(たぶん)ポルシェ乗りの上野太朗ディレクターと僕(ライター吉田拓生)のコンビ。

まずイベントに行く行かないの段階で上野君は怯んでいた。ガチのサーキットアタックはラップタイムが白日に晒されるので、敗者に酷だ。とはいえ僕としては日ごろ袖ケ浦でロードスターを走らせドラテク向上に励む上野君のタイムを見たかったし、自分のタイムを現役レーサー並みのトップ連中と比べてみたいという思いもあった。

ルノーR.S.アルティメットデイ メディア対抗サーキットチャレンジ
ルノーR.S.アルティメットデイ メディア対抗サーキットチャレンジ

ホームストレートで行われたハイパースラロームの顛末についてはこの後の上野君に任せ、いきなり本題のタイムアタックから。

競技はインとアウトのラップを含まない計測2周。ぶっつけ本番というやつである。インラップは前走者が温めたエンジンとブレーキを冷やすことに専念。そこからレース・モードを選んでタイムアタックに突入した。

感心させられたのは、ウルティムのアシの仕上がりだった。街乗りでもそこそこの乗り心地が確保されているのに、フルブレーキングでも底突きする感じがない。コーナーでは軽いアンダーステアならLSDがかき消してくれる。

ぶっつけでもなんとかラップをまとめられたのはメガーヌR.S.ウルティムのFFハッチバックモデルらしからぬ包容力の賜物である。大ミスしない程度に袖ケ浦を攻めて、僕のタイムは1分17秒80と出た。さあここからは上野君に振り返ってもらおう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 執筆

    上野太朗

    Taro Ueno

    1991年生まれ。親が買ってくれた玩具はミニカー、ゲームはレース系、書籍は自動車関連、週末は父のサーキット走行のタイム計測というエリート・コース(?)を歩む。学生時代はボルボ940→アルファ・スパイダー(916)→トヨタ86→アルファ156→マツダ・ロードスター(NC)→VWゴルフGTIにありったけのお金を溶かす。ある日突然、編集長から「遊びにこない?」の電話。現職に至る。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    1986年生まれ。クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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