社会人1年目、ポルシェを買う。

2018.12.19

第84話:笹本編集長のコラムに動揺。

どうしよう

それから3日がたった。
なにも言えなかった理由を僕なりに考えた。

あれだけ欲しい、欲しいと言っていたのに、
いざ「君に売ることにした」と言ってもらい、
飛び上がるほどに喜べていなかったのはなぜ?

白いボディに、黒いフックスホイール。
羽のように回転計の針が舞い、
まるで生き物のようにエンジンがうごめく音。
それらすべてが自分のものになる(かも?)。

つぎつぎと壊れていって、
とんでもないお金がかかったら……。

それに夏に乗れそうにない。
じっさい熱中症になったではないか。
空冷ポルシェの先輩方が冷笑しそうな
ひ弱な不安がつぎつぎと湧き上がってくる。

結局、
ビビっているのだということがわかった。

話は変わるけれど、
僕は結構SNSのコメントを気にしている。
たとえば先週は
「空冷のポルシェを買うのはお金持ちで、
 貧乏人には到底ムリです。諦めてください」
といった旨のコメントが入って、
僕は文字通りヘコんだ。
お茶碗を洗っているときも
湯船に浸かっているときも
電車に揺られているときも、
その言葉が繰り返し繰り返し脳内再生される。

だから編集長の記事をシェアした投稿にも、
つらい言葉が投げかけられるのだろうと思い
正直言って、怖くて見ることができなかった。

しかし、周囲の意見はポジティブだった。

・「バカだね〜」と言いながら、僕は褒める。
・気楽にねえー、陰ながら応援してますw
・上野太朗氏「持ってる」人ですなぁ〜。
・ぜひ、上野太朗さんに!
・これは買うしかないだろ笑笑

というようなコメントやメール、
引用ツイートがSNS上を舞っていた。

だったら……買うしかない?!
まぁローンが通れば……ですね。
通らなければ、潔くあきらめる。

しかし、いくらで買えるのやら……。

※今回も最後までご覧になってくださり、
 ありがとうございます。

 肝心な話が、いちばんしづらい。
 でも編集長の気が変わらぬうちに…。

AUTOCAR JAPAN 編集部 上野太朗

1991年生まれ。親が買ってくれた玩具はミニカー、ゲームはレース系、書籍は自動車関連、週末は父のサーキット走行のタイム計測という、いわばエリート・コース(?)を歩む。学生時代はフィアット・バルケッタ→ボルボ940エステート→アルファ・ロメオ・スパイダー(916)→トヨタ86→アルファ・ロメオ156(V6)→マツダ・ロードスター(NC)→VWゴルフGTIにありったけのお金を溶かした。ある日突然、編集長から「遊びにこない?」の電話。現職に至る。