社会人1年目、ポルシェを買う。

2021.10.31

【社会人1年目、ポルシェを買う。】第141話:カート公式レースに参戦(2)

いつまでもいつまでも……

最後の公式プラクティスは
耐久レース本番の前日。

「こそ練」にプラスして、
ユーチューブで過去の車載動画を見た。
速い選手に共通していえるのは、
映像ではゆっくりに見えるくらいに
腕や体、車体の動きに余裕がある。

でもメインストレートを通過する際は
僕なんかよりも遥かに速いタイムだ。

鈴木ケンイチさんに、
前を引っ張って頂いた。
後ろにもついて頂き走りをみてもらった。
そこからは、がらりとタイムが改善した。

鈴木さんの言葉を借りると
「コーナーの前に、
 もっといろんなことを終わらせなきゃ」
ということになる。

ビビって、そして焦っているのだ。

ビビっていると
コーナー手前のブレーキ・タイミングが
ずいぶんと手前になってしまいそうだが
僕の場合は違う。

ビビリと、これに焦りが掛け合わさると、
ブレーキングがどんどん奥になっていく。

速いドライバーならば、
とっくに姿勢を整えて
全力でコーナーを脱出する時さえ、
僕は遅れたブレーキのおかげで
脱出姿勢もととのわないまま、
いつまでもいつまでも
ハンドルを切りながら
全開でアクセルを踏んでしまっている。
踏んでも踏んでも進まない。
いわゆるアンダーステアだ。

これがわかっただけでも……?
いよいよ本番が近づいてきた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    上野太朗

    Taro Ueno

    1991年生まれ。親が買ってくれた玩具はミニカー、ゲームはレース系、書籍は自動車関連、週末は父のサーキット走行のタイム計測というエリート・コース(?)を歩む。学生時代はボルボ940→アルファ・スパイダー(916)→トヨタ86→アルファ156→マツダ・ロードスター(NC)→VWゴルフGTIにありったけのお金を溶かす。ある日突然、編集長から「遊びにこない?」の電話。現職に至る。

上野太朗のカート公式レース参戦記の前後関係

前後関係をもっとみる

 
 

おすすめ記事

 

人気記事

        人気画像