3月8日は国際女性デー 地域プロデューサー井原愛子さんに、ベンテイガ・ハイブリッドで会いに行く

公開 : 2022.03.08 11:00

カエデの苗が育ち、やがて森に……

カエデの木は1年で平均1cmほど幹を太らせ、20cmを目処に樹液が採れるようになるという。

井原さんは、山の持ち主たちやNPOと連携してスギ・ヒノキの「伐る林業(人工林)」と、カエデから樹液を採り活用する「伐らない林業(天然林)」の経済活動の複合化を目指している。

秩父の山には100歳を超えるカエデも数本記録されており、それらは幹内から豊富な樹液を採取させてくれるという。

「スギやヒノキなどは木材としてお金を得るために植えられ、地図上にも林班図としてそれらは記されているのですが、カエデなどの広葉樹はザツ(雑木)として一括りにされています。どこにどんな広葉樹が植わっているか把握されていなかったんです」

「しかしNPOの方が山を歩き、秩父は植生が豊かでいろんな種類のカエデがあり、以前はもっと生息していただろうと予測できたんです。そのことがきっかけとなり、メープルの価値も含めカエデの森の再生、伐らない林業に取組むことにしたんです。もちろんバランスは必要です」

現在はGPSで地図上にカエデの自生場所を落とし、誰の山にはどれだけあるか、またそれらがどれだけ樹液を出しているかのデータも10年以上取り続けているそうだ。

メープルシロップ作りの今の問題は、自生するカエデが点在するため、樹液の収穫の効率が上がらないこと。将来、森ができてまとまった樹液が採れるようになれば生産量も増える。だからこそ「ぜひ現地に足を運んで食していただきたい」と井原さん。「いまネットで簡単に手に入る時代ですが、秩父に来てくれたらうれしい。森を歩いたらもっとわかるんじゃないかな」

NPOではスギやヒノキの林も間伐を行えばより良質な木材が育ち、間伐したところに再びスギやヒノキを植えるばかりではなく、カエデを植樹し元の森の姿に戻す取組みも行っている。

「地元の幼稚園児がドングリを実から育て、3年目で成長した苗をNPOが整備してくれた山に植えるという活動を10年以上繰り返したら、森になったんですよ!」と嬉しそうに話す井原さんの笑顔が印象に残っている。

ベンテイガ・ハイブリッドは、電気で走る「EVドライブモード」で起動する。毎日の運転は、ゼロ・エミッションという新しい時代の幕開けを告げるテクノロジーでスタートするわけだ。

木や森を育てる年月はもちろん、メープルシロップを製造する手間暇も考えたら世の中の “流行”や“ブーム”とはほど遠い活動が、秩父の山と街で行われている。彼女の取組みは、一本のカエデが苗木から大木となり多くの樹液を抱くように数十年、100年の未来へと繋がる。

東京から片道約100km ーー100年先に触れるドライブーー

東京から秩父ミューズパーク内にある「MAPLE BASE」まではクルマで片道約100km。今回はベントレー初の電動化モデルとなるベンテイガ・ハイブリッドで向かった。

精巧な造りで仕上げられた素材感や色、艶も素晴らしい内装に包まれ、着座位置の高いポジションから眺める林間のワインディングドライブの優雅で心地よいドライブタイム。高速移動の静かでフラット、滑らかな乗り味はもちろん、モーター駆動が支えるダイレクトさも増す発進や加速がベンテイガのドライブフィールに新鮮な俊足ぶりを感じさせてくれた。

再生可能エネルギーへの対策と転換を大がかりに行うベントレー・モーターズ。“自然”由来の素材と“人”の手にこだわった、感性に豊かさを与えるモノづくりに取組んでいる。

イギリス留学経験のある井原さんもベントレーのブランドの価値や素晴らしさはご存知で、束の間のドライブではあったが内装の美しさと滑らかな走りに感動してくれた。ちなみに、井原さんの愛車はイタリアのコンパクトカー。クルマが移動の手段であり、ドライブタイムには“イギリスのロック”が欠かせないという。

ベントレー・モーターズ 公式サイトをみる

記事に関わった人々

  • 執筆

    飯田裕子

    Yuko Iida

    免許を取るまではクルマにまったく興味がなかった女子だったが、山に囲まれた実家の近くは折しも峠ブーム。ドライビングやスポーツカーへの興味を抱くようになる。自動車メーカーでOLをしながら弟(飯田章)とレース活動をスタート。退職後「クルマ×人(中心)×生活」をテーマとするジャーナリストに。現在の愛車はポルシェボクスター(981)
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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