W12からV8のツインターボへ ベントレー・ベンテイガ・スピード(1) ダイナミック・モードでドリフト!

公開 : 2026.02.26 18:05

W12からV8のツインターボへ置換され650psを得た「スピード」 M5 ツーリング凌駕の0-100km/h 3.4秒 ドリフト許すダイナミック・モード 他のSUVと一線画す豪奢な内装 UK編集部が試乗

W12ツインターボからV8ツインターボへ

ドリフト・モードに、アクラポビッチ・マフラー。ハイエンドSUVらしからぬ装備だが、伝統と格式ある、英国の老舗メーカーらしいユーモアといえる。

過去には、車重が2.3tあるコンチネンタルGTで、GT3レースに参戦。コンチネンタル・スーパースポーツでは、凍結したバルト海で氷上最高速の記録更新へ挑戦し、成し遂げてもいる。予測できないブランドであることは、間違いない。

ベントレー・ベンテイガ・スピード(英国仕様)
ベントレーベンテイガ・スピード(英国仕様)

ベンテイガ・スピードへ当初載ったエンジンは、W型12気筒ツインターボと型破りなものだった。しかし、環境規制へ順応すべく廃盤に。コンチネンタルGT スピードではプラグイン・ハイブリッドへ舵が切られたが、強力なV8ツインターボが与えられた。

果たして、最高出力は650ps。W12エンジンと比べて、最大トルクは僅かに劣るものの、馬力で勝る。ちなみに、ランボルギーニウルス・ペルフォルマンテでは、同ユニットから666psが引き出されている。

ドライブトレインやシャシーは専用設定

ベンテイガには、既にV6エンジンのハイブリッドがあるが、ベントレーは非ハイブリッドのV8エンジンの方が、スピードの客層には好まれると判断したとか。重いバッテリーとモーターの追加は、動的能力でプラスに働きにくく、理解できる主張だろう。

通常のベンテイガとの差別化として、ボディは大きなスポイラーを獲得。ホイールは、23インチの専用デザインが、オプションで用意された。前が直径440mmあるカーボンセラミック・ブレーキを組むには必須アイテムで、殆どのオーナーは選択するはず。

ベントレー・ベンテイガ・スピード(英国仕様)
ベントレー・ベンテイガ・スピード(英国仕様)

サスペンションは、コンフォート・モードは従来通りながら、スポーツ・モードは15%引き締められた。8速ATのマッピングは高速化され、アクセルレスポンスは鋭くなり、スタビリティ・コントロールも見直された。

ドリフト許すダイナミック・モード

もちろん四輪駆動で、トルセン式センターデフが前後の駆動力を分配。ベンテイガ・スピードでは、リアタイヤへの配分が増やされている。

電圧48Vで制御される、アクティブ・アンチロールバーも専用品。W12エンジンより25kg軽いため、従来より僅かに制御は緩められたという。チタン製マフラーを組めば、更に車重を12.5kg軽くできる。それでも、軽量だとはいい難いが。

ベントレー・ベンテイガ・スピード(英国仕様)
ベントレー・ベンテイガ・スピード(英国仕様)

スタビリティ・コントロールをダイナミック・モードにすると、ブレーキ制御のトルクベクタリング機能が、ある程度のドリフトを許すようになる。アクセルペダルの加減で、ノーズの向きも整えやすい。

これにより、機械式LSDが備わらないリアアクスルを補完。滑りやすい路面での、エンターテインメント性を高めたといえる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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