ベントレー・ベンテイガ・ハイブリッドで旅へ 発揮した強み 染み渡るウェルビーイング

公開 : 2022.09.12 18:00

魅惑の “B” モード 結果的に落ち着く

あらかじめ車載バッテリーに充電した電力を使い果たしても、このパワートレインはハイブリッドとして機能するため、エネルギー効率が驚くほど優れている。

なにしろ車重が2.6トンもあるにもかかわらず、今回のロングツーリングでも10km/Lを越える好燃費を軽々とマークしてみせたのだ。

このため、バッテリーを充電したうえで燃料タンクをガソリンで満たせば860km近い距離を走破できるという(NEDCモードの場合)。スタミナ溢れるベントレーに相応しいパフォーマンスだ。

もちろん乗り心地も極めて快適。しかも、ただソフトなだけでなく、ギュッと引き締まった “コシ” のようなものも感じられて、これが長距離ドライブを一層、安楽なものにしてくれるのだ。

なかでも興味深いのが、ベントレー独自のドライビング・モード切り替え。通常であれば、コンフォート(もしくはノーマル)、オートマティック(もしくはアダプティブ)、スポーツなどのモードが用意されているところだが、ベントレーはオートマティックの代わりに “B” というモードを設定している。

実際にはベントレーのロゴが表記されていて、「ベントレーの技術陣が自信を持ってお勧めするモード」と説明される。

これが一般的なオートマティック・モードよりも一段とソリッドで、「スポーツ・モードって呼んでもいいんじゃない?」と思うことがしばしば。

このため軟弱な私は、ベントレーに乗ると往々にしてコンフォートを選んでしまったりするのだが、長距離を走っているうちになんとなく “B” モードが気になり始めて、試してみると「ああ、やっぱりこっちのほうがしっくりくるよなあ」と思って、結果的に “B” モードに落ち着くことが多い。

その理由は、単に足回りだけでなく、ボディやパワートレインを含む走りの世界観が “B” モードとベストマッチしていることにあるはず。

その意味において、ベントレー技術陣の見たては間違っていないといえる。

ベントレー・モーターズ 公式サイトをみる

記事に関わった人々

  • 執筆

    大谷達也

    Tatsuya Otani

    1961年生まれ。大学で工学を学んだのち、順調に電機メーカーの研究所に勤務するも、明確に説明できない理由により、某月刊自動車雑誌の編集部員へと転身。そこで20年を過ごした後、またもや明確に説明できない理由により退職し、フリーランスとなる。それから早10数年、いまも路頭に迷わずに済んでいるのは、慈悲深い関係者の皆さまの思し召しであると感謝の毎日を過ごしている。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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