マイナーチェンジ ジャガーXE HSE Rダイナミック 輝きを磨いた中期モデル

公開 : 2019.08.07 20:41  更新 : 2019.08.30 00:44

BMW 3シリーズを追撃するジャガーXE。モデルライフ中期のフェイスリフトによりエクステリアやインテリアのデザインが新しく見直され、競争力が高められました。全体的に低調な4ドアサルーンの人気獲得につなげることはできるのでしょうか。2.0ℓガソリンモデルを試乗しました。

XEの魅力を高めるフェイスリフト

2015年に発表された中型サルーンのXEは、ジャガーにとって非常に重要なモデル。今回、アウディA4や、新しくなったBMW3へ挑戦を挑むため、モデル中期のフェイスリフトを受けた。

流麗なスタイリングに優れたダイナミクス性能を備え、アルミニウム製のボディシェルや極めて上質なリアサスペンションなど、クラスをリードする先進的な技術を搭載している。しかし、市場で高い支持を得ることはできなかった。われわれのレビューも悪くはなかったのだが、ドライバーはドイツ車のライバルモデルを選ぶ傾向にある。

モデル中期のフェイスリフトを受けたジャガーXE。
モデル中期のフェイスリフトを受けたジャガーXE。

XEの販売は低調だったものの、全般的に4ドアサルーンの販売自体も低調で、その割合がそのままXEの売れ行きにも一致しているのが事実ではあった。しかし、ジャガーやディーラーにとっては喜ばしくない数字には違いない。

XEを運転した誰もがいいクルマだと認めてはいる。しかし、初期モデルのユーザーの反応をみると、XFと見分けがつかないほど極めて類似したエクステリアデザインは、XE自体のスタイリングの魅力を薄めてしまっていた。しかも、ライバルモデルと比較すると、インテリアは特徴に薄いことは否めない。

それらを払拭するべくリリースされた2019年モデルを確かめてみよう。

ボディ内外のデザインや質感を一新

フェイスリフト後のXEを見てはじめに気づくのは、大幅に向上したエクステリアデザイン。バンパー周りはよりスポーティなデザインになり、ヘッドライトやLEDのデイライトも新しくなっている。リアバンパーもスタイリッシュなものとなり、モダンな雰囲気を高めている。すべてのグレードで、テールライトには流れるように光るシーケンシャル・スタイルを採用している。

インテリアでは、ダッシュボード中央の10.2インチのJLR(ジャガー・ランドローバー・リミテッド)製のタッチ・プロ・デュオ・インフォテインメントシステムが目を引く。その下にはひと回り小さいサブモニターが備わる。この装備がシンプルさを高め、空間をモダナイズさせる重要な役割を果たしている。

タッチ・プロ・デュオ・インフォテインメントシステムが目を引くXEのインテリア。
タッチ・プロ・デュオ・インフォテインメントシステムが目を引くXEのインテリア。

シフトレバーも、特徴でもあったダイヤルノブ・スタイルのものから、スポーティで使いなれたレバー式のものに変更されている。デザインだけでなく、用いられている素材も一新され、視覚的に得られるプレミアム感は高まった。フェイスリフト前のオーナーはインテリアの雰囲気から、コスト削減を目指していたことを感じ取っていたかと思うが、もうそんなことはなくなった。

しかし改めることができなかった部分もある。とても空間の限られた後部座席だ。子供か小柄な大人でなければ、快適に過ごすことは難しいだろう。

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