【なぜEVモードない?】新型フィット公道試乗 ジワっと感じた、ホンダらしい「心地よさ」

公開 : 2020.03.03 10:35  更新 : 2021.10.11 09:30

新型ホンダ・フィットの試乗記です。主なグレードは「e:HEV LUXE」です。ハイブリッド車ですが、なぜEVモードを設けなかったか? などを調べるとともに、フィット提唱の「心地よさ」にも触れます。

新型フィット 初期販売、好調に推移

text:Kenji Momota(桃田健史)

ホンダが2月14日発売を開始した、コンパクトカーの新型フィットに日本国内の公道で試乗した。

テレビCMなどでの訴求が進むなか、ホンダ広報部によると、発売2週間での受注台数は約2万4000台を記録した。

ホンダ・フィットのヘッドライト。
ホンダ・フィットのヘッドライト。    上野和秀

発売時点での販売計画台数が1万台としており、発売直後としては順調な船出となった。

新型フィットでは、他のホンダ車とは違い、G、Xといったグレード設定をせず、生活ススタイルを意識した「ライフ・スタイル・セレクト」として5タイプを用意している。

タイプ別での販売比率は、初期販売実績2万4000台のうち、HOMEが46%、次いでBASICが20%、高級志向のLuxeが15%、SUVらいくなエクステリアのCROSSTARが14%、そしてスポーティなイメージのNESSが6%と続いた。

こうした5タイプの販売比率となっていることについて「HOMEが主体となることは想定通りです。CROSSTARとNESSについては、販売が跳ねる時期はもう少し遅くなると予測しています」(ホンダ広報部)。

搭載するパワートレインについては、ホンダとしてコンパクトカー向けで初採用した2モーター方式の1.5L DOHC i-VTECの「e:HEV」が約7割、残りの約3割が1.3L DOHC i-VTECとなっている。

この比率についても大体予想通りで、ホンダとしては今後販売台数が増えることで、それぞれ65%・35%を想定しているという。

日本市場優先 ホンダの勝負グルマ

フィットは当然、世界市場を意識したホンダ中核モデルである。それでも、最重要市場を日本として、発表と発売は日本が最初である。

二番目の市場は欧州で、スイス・ジュネーブショーで欧州プレミアを行う予定だった。だが、今回の試乗体験の前日、スイス政府は新型コロナウイルスの影響で国内で開催する1000人以上のイベントを3月15日まで中止する要請を関係各方面に出した。

フィット・クロスター(左)とフィット。
フィット・クロスター(左)とフィット。

現地時間3月3日からメディア向けを皮切りに開幕する予定だったジュネーブショーは異例の中止となった。

今後、中国、北米と随時発売予定だが、新型コロナウイルスの影響による販売への懸念されるところだ。

新型フィットの公道試乗を前に、ホンダからのプレゼンテーションがあった。

冒頭、初代(2001~2007年)、2代目(2007~2013年)、3代目(2013~2020年)までの累積販売台数が269万台。そのうち、現在での市場での保有台数は180万台を超えており、ホンダのモデルとして最多だという。

名実ともに、ホンダにとって最重要車種。4代目は次世代のホンダ事業において、勝負グルマである。

日本市場においては、N-BOXが好調の軽自動車、フリードとステップワゴンによるミニバン、ヴェゼルによるSUV、そしてコンパクトカーではフィットを柱に年間70万台を安定販売を目指す。

では、気になる走りは……。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。
  • 桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?

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