フォルクスワーゲン新型ホットハッチ『IDポロGTI』正式発表 電動モデル初の名称採用 リアサスは「最高のトーションビーム」

公開 : 2026.05.16 07:25

フォルクスワーゲンが新型の高性能EV『IDポロGTI』を発表しました。電動モデルとして初めて「GTI」の名を受け継ぎ、実用性と運転の楽しさの両立を目指しています。特にリアアクスル設計には力を入れたそうです。

新時代のホットハッチが登場

フォルクスワーゲンが新型EV『IDポロGTI(ID. Polo GTI)』を公開した。「毎日使えるスポーツカー」として、GTIの名に恥じない存在となるという。

先日発表されたEV『IDポロ』をベースとしている。これまで『ゴルフ』などのスポーツモデルで親しまれてきたGTIのバッジが市販EVに使用されるのは今回が初めてだ。

新型IDポロGTI
新型IDポロGTI    フォルクスワーゲン

新型IDポロGTIは、フロントに搭載された電気モーター(最高回転数1万5000rpm)から最高出力226psを発生し、0-100km/h加速は6.8秒、最高速度は175km/hに達する。

多くの高性能EVと比べるとやや控えめな数値だが、フォルクスワーゲンはその理由として、「徹底的なパフォーマンス」ではなく「最高の意味でのホットハッチ」を目指したためだと説明している。そのため、走行性能、ハンドリング、そしてフィードバックに重点が置かれたという。

シャシーは専用設計で、新開発の高剛性ダンパーとスプリングを組み合わせている。ゴルフGTIから受け継いだロック式ディファレンシャルとアンチロールバーを、標準のIDポロのマクファーソンストラット式フロントサスペンションに組み込み、リアには専用のトーションビームを採用している。

こだわり抜いたトーションビーム

フォルクスワーゲンのドライビングダイナミクス責任者であるフロリアン・ウンバッハ氏はAUTOCARに対し、このリアアクスルを特に誇りに思っていると語った。リアのマウントとブッシュは、縦方向の「乗り心地」の柔軟性を保ちつつ、横方向の動き厳密に制御できるよう設計されているという。

「これは、わたし達がこれまでに作った中で最高のトーションビームだと思います」とウンバッハ氏は語った。

新型IDポロGTI
新型IDポロGTI    フォルクスワーゲン

運転への没入感を高めるため、IDポロGTIには専用のドライビングモードも搭載されている。ステアリングホイール下部にある「GTI」ボタンを押すと、すべての駆動系およびシャシー設定が極限まで引き上げられ、同時に人工的なエンジン音が車内に流される。GTIモード起動中は、ローンチコントロールも使用可能になる。

プラットフォームは、標準のIDポロと同じMEB+を採用し、52kWh容量のニッケル・マンガン・コバルト(NMC)バッテリーを搭載している。これは同プラットフォームで最大の容量とされる。

しかし、パフォーマンス重視の特性により、最大航続距離は標準の455kmから424km(WLTP)に短縮される。最大105kWのDC急速充電に対応しており、24分で10%から80%まで充電できる。

欧州市場では、アルピーヌA290プジョーe-208 GTi、オペル/ヴォグゾールコルサGSE、クプラ・ラヴァルVZといった小型の高性能EVが数を増やしつつある。クプラ・ラヴァルVZは同じフォルクスワーゲン・グループ傘下のため、構造的にはIDポロGTIと同一となる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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