巨体を突き動かす6.6L V8 ブリストル412 プロトタイプ(2) 量産仕様以上の主張 経営者へ似た豪快な性格
公開 : 2026.05.16 17:50
411と603のつなぎ役として誕生した、ザガート・デザインの412。四角いボディに6.6L V8エンジンを載せた、生産61台のオープンGTでした。その貴重な試作車と裏話へ、UK編集部が迫ります。
もくじ
ー量産仕様以上の主張を放つプロトタイプ
ー1000時間の作業を経て塗装されたボディ
ーテーラードスーツの裏地のように派手な内装
ー豪快さをなだめたクルージングが気持いい
ートニー・クルック氏と似た性格の412
ーブリストル412(1975~1982年/英国仕様)のスペック
量産仕様以上の主張を放つプロトタイプ
ブリストル・カーズが、オープン・グランドツアラー市場へ挑んだ判断は、懸命なものだったと思う。経営を率いたトニー・クルック氏は、一定のニーズが有ると睨んでいた。
当時の英国には、ジェンセン・インターセプターやロールス・ロイス・コーニッシュといった、上級モデルが複数存在していた。クライスラー由来の6.6L V型8気筒エンジンを積んだ412にも、チャンスはあった。

今回のプロトタイプは、ボンネットの先端がより垂直に造形されており、量産仕様以上の主張を放つ。初期の提案から短縮されたといっても、全長は4940mmもある。オリジナルのデザインは、どんな姿だったのか興味も掻き立てられるが。
412用のボディは、ザガートの工場で98台か99台分が組み立てられ、塗装されてからブリストルへ届けられた。段差の付いたサイドの処理などへ、ランチア・ベータ・スパイダーやランドローバー・レンジローバーなどの影響を見て取れる。
1000時間の作業を経て塗装されたボディ
幾度もの転売を経て、プロトタイプの412をジェームズ・キャラダイン氏が購入したのは、2002年末。その時点で、ボディはレッドからブラックへ塗り替わっていたという。
彼は根っからのブリストル・マニアで、10代の頃、既に404を購入している。「その後に購入した405 ドロップヘッドクーペが、この412を入手するキッカケになりました。オーナーズクラブによる、南アフリカ・ツアーへの参加を理由に」

「ツアーへ向けて405のレストアを頼んだんですが、全然間に合わなかったんです。そこで、憧れていた412を急いで探しました。以来、素晴らしい時間を過ごしています」
「プロトタイプという点に惹かれたんです。2008年には、専門家のアンドリュー・ミッチェルさんへレストアを依頼しています。当初の状態は褒められたものではなく、約4年間、1000時間の作業を経てから塗装されました」。キャラダインが振り返る。
テーラードスーツの裏地のように派手な内装
412は、典型的な美しいフォルムではないかもしれない。しかし、クロームメッキのロールオーバーバーとエイボン・ホイールで飾った姿は、筆者を魅了する。ガンメタリックの塗装も、落ち着いていて好ましい。状態の良さが、陽光を受けて強調される。
インテリアは、いかにもブリストル。マスタード・イエローのレザーが、ボディと見事な対比を生む。シックなテーラードスーツの、裏地のように。前後の席へ大人2名がゆったり座れ、ルーフパネルとリアのソフトトップを開けば、一層優雅に過ごせる。

ダッシュボードはクラシカルなデザインだが、ステアリングホイールはスポーティな3スポーク。ブリストルのロゴが、誇らしい。



























































































































