自動車デザインの名門 ロイヤル・カレッジ・オブ・アート訪問 未来のクルマが生まれる場所

2019.06.30

サマリー

自動車デザインの名門、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートの自動車デザインコースを訪問しました。自動車業界が数十年に1度の変革期を迎えるなか、コースの中味も進化を続けていますが、それでも、目指すのは、優れたデザイナーの育成であることに変わりはありません。

もくじ

大きな変革期 インテリジェント・モビリティ
スタッフも多様 新たな拠点も
UXの重要性 期間を短縮
高まる社会性 外部との協力も
変わらぬ情熱 変化に対応
番外編:インテリジェント・モビリティの将来

大きな変革期 インテリジェント・モビリティ

1世紀に及ぶ歴史を誇る自動車産業はいま、自動運転や電動化、さらにはシェアリングといった、旧来の常識を覆すような数十年に一度の変革期を迎えており、自動車デザイナーたちは新たな課題に直面している。

だからこそ、世界的にその名を知られたロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)の自動車デザインコースは、抜本的な改革を推し進めているのだ。

今年3月、新「インテリジェント・モビリティ」コース初の卒業生となる学生たちは、それぞれが卒業制作として行ったデザインプロジェクトの成果を発表しており、全部で21あるプロジェクトのなかで、驚くような夢のクルマというものは数えるほどだったかも知れないが、多くがこれまでとはまったく異なる作品であり、そのなかには、空間全体を作品と見做すアート・インスタレーションにインスパイアされた自動運転ポッドや、イーロン・マスクが提唱するハイパーループ・トンネルを疾走するためにデザインされたEVスーパーカー、地球温暖化による海面上昇に対応するための水陸両用車、さらにはリラクゼーション用サウンドシステムを備えた、未来のベントレーのインテリアといったものが含まれていた。


「われわれの仕事にはふたつの要素があります」と、インテリジェント・モビリティ・プログラムの責任者を務めるデール・ハロー教授は話す。

「実際の職場で役立つ能力を学生に身に付けさせるとともに、将来直面するだろう事態を想定して、学生にバランスをとる術を教えています。つまり、持続可能性やEV、自動運転、ディスプレーを使ったユーザーインターフェイス、さらには、サービス型の所有形態といったものです。こうしたさまざまな事柄に対応する準備が、学生には求められているのです」

20年にも渡りハローはRCAで自動車デザインを教えており、ここ5年間はファッションとリサーチ、テキスタイルを所管する学部長も務めていた。

いまでは、彼がもっとも情熱を傾ける自動車デザインの世界に戻って来ており、2010年代中盤には財政基盤の悪化に悩まされたコースに、創造性と予算のバランスをもたらすことで、安定を取り戻すことに成功している。

 
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