2. ジャガーFペイスSVR

長所:さまざまな用途に適している。バランスが良く汎用性も高い。
短所:インフォテインメント・システムにやや難あり。ライバルに比べ走りの鋭さに欠ける。

ジャガーが初めてSUVを発表したとき、やがて高性能モデルも出るだろうと期待された。そして、その通り登場したFペイスSVRは、スポーティな感覚に溢れていながら、ゆったりとした大人しい性格も持ち合わせており、レスポンスを追求するドイツ車とは異なる路線を示した。

2. ジャガーFペイスSVR
2. ジャガーFペイスSVR

FペイスSVRは、通勤や通学、週末のドライブでクルマを使う人のためのスポーツカーであり、疑問を感じるほどの硬いサスペンションは持たない。咆哮する5.0L V8スーパーチャージャーは、必要とされるスピードとドラマをすべて叶えてくれる。ハンドリングは刺激的だが、実用的なキャビンとトランク、絶妙なシャシーチューニングによって日常生活にも十分対応できるものとなっている。

フェイスリフトを受けた2021年以降は、さらに輝きを増した。ボディの空力性能がわずかに改善され、新しいトルクコンバーター式ATはすべてのギアでV8のフルトルク(71.3kg-m)を上手に扱えるようになった。

サスペンションの調整により、ダイナミックさを損なうことなく、丸みを帯びた使い勝手の良いモデルに仕上がった。完璧ではないが、インテリアやインフォテインメント・システムも一新されている。非常に好印象なSUVだ。

3. アルファ・ロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオ

長所:夢のようなエンジン。SUVとしては最も魅力的な走り。
短所:ライバルと比較すると残念なインテリア。後席レッグルーム不足。

アルファ・ロメオ初の高性能SUVについては、説明に多くの言葉を必要としない。フェラーリ458スペチアーレのハンドリングを作り出した人物がシャシーにサインしたクルマである。

3. アルファ・ロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオ
3. アルファ・ロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオ

マラネロのV8から派生したV6ターボを搭載しており、アルファ・ロメオ自身もまた、世界の尊敬を集めるスポーツセダンやクーペを数多く輩出してきたブランドである。

ステルヴィオ・クアドリフォリオは、現在販売されているSUVの中で最もシャープで魅力的なパフォーマンスを秘めており、車両重量やボディ形状とは裏腹に、上質な乗り心地と機敏なステアリング・レスポンスでドライバーを虜にする。

キャビンの質感に関してはいくつか問題があり、2020年のフェイスリフトではその一部が解消されたものの、この価格帯では素晴らしいとは言い難い。

乗り心地の洗練度や日常の使い勝手に関しては、このクラスでは妥協のない部類に入る。何はともあれ、ドライビングのスリルを何よりも重視する人には、ステルヴィオ・クアドリフォリオがぴったりだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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