楽しい走りで「巨体」を忘れる BMW X6 xドライブ40iへ試乗 小変更 クラス最有力の選択肢

公開 : 2024.02.19 19:05

クーペボディのSUV、X6がフェイスリフト 2240kgをしっかり受け止める3.0L直6ターボ 巨体を忘れるほど運転を楽しめる 英国編集部が公道で評価

クーペボディのSUVを発明したBMW

2008年に、BMWはクーペボディのSUVを発明した。ワゴンボディが当然だったカテゴリーに、後方へ向けてなだらかに傾くルーフラインを採用。BMW X5より高価な一方で、実用性は劣っていたものの、2代目の開発へ充分な台数を売りさばいた。

その後、メルセデス・ベンツアウディポルシェが、ライバルモデルを提供。コンパクトSUVの領域にも、その人気は広がっている。

BMW X6 xドライブ40i Mスポーツ(英国仕様)
BMW X6 xドライブ40i Mスポーツ(英国仕様)

現行の3代目X6が登場してから、早いもので4年が経過した。競争の激しい分野なだけに、フェイスリフトを施すべき時期だといっていい。

昨年アップデートされたX5と同じく、X6も新しいキドニーグリルとフロントバンパーを獲得。英国仕様ではMスポーツが標準となり、見た目はずっとスポーティに仕立てられている。

インテリアでは、BMWの第8世代となるiドライブ・インフォテインメント・システムを得たことがトピック。12.3インチのメーター用モニターと、14.9インチのセンター・タッチモニターが連なった、大画面がダッシュボード上に鎮座する。

運転席へ座ると、シートが心地良い。正面にはモニターパネルが広がるが、エアコンなどの主要な機能には、しっかりボタンやダイヤルが用意されている。BMWのデザインには、感銘を受けてしまう。

2240kgをしっかり受け止める3.0L直6ターボ

パワートレインは、X5なら最大109kmを電気だけで走れるプラグイン・ハイブリッドも選べるが、X6には設定ナシ。英国の場合、ガソリンターボとディーゼルターボの展開となる。すべてが、四輪駆動のxドライブだ。

ディーゼルターボの30dと40dには、それぞれ298psと339psを発揮する、3.0L直列6気筒を搭載。今回試乗したガソリンターボの40iには、380psの3.0L直列6気筒が載る。いずれも、フェイスリフト前からパワーアップされている。

BMW X6 xドライブ40i Mスポーツ(英国仕様)
BMW X6 xドライブ40i Mスポーツ(英国仕様)

その上に、M60iと、本気のX6 M コンペティションが君臨。それぞれ530psと600psを繰り出す、4.4L V8ツインターボガソリンが搭載される。トランスミッションは、共通して8速オートマティックで、電圧48Vのスターター・ジェネレーターが組まれる。

xドライブ40iに搭載される直6ターボは、2240kgの車重をしっかり受け止める。軽快な排気音を響かせながら、0-100km/h加速5.4秒という勢いでボディを突き動かす。ただし、高回転域では若干息苦しそうに感じられた。

燃費はあまり優れず、今回は1週間ほどお借りしたが、平均で9.4km/Lに留まった。ディーゼルターボなら、13.5km/L程度は得られるだろう。

他方、BMWとして高水準なコーナリング性能を求めるなら、X6はしっかりその期待に応える。アグレッシブな見た目とは裏腹に、ドライビング体験はエレガントだと表現したくなるほど。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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