ターボにするかスーパーチャージャーにするか ダイハツ・シャレード GTti & フォルクスワーゲン・ポロ G40(1) もっと熱かった頃の2台

公開 : 2026.08.08 17:45

1980年代の終りに登場した過給器を積んだホットハッチ、ダイハツ・シャレード GTtiとフォルクスワーゲン・ポロ G40。多くの自動車メーカーがもっと熱かった頃の2台を、UK編集部が振り返ります。

グループBのミドシップ、926Rの技術を継承

1980年代の終り頃は、殆どすべての自動車メーカーに元気があった。多様なラインナップへ、高性能仕様が設定された。格上のサルーン用エンジンを、ひと回り小さいフロントへ押し込んだ、ホットハッチも次々に生まれた。

日本のダイハツは、過給器の採用でそんな活気を体現した。ひと世代前、2代目のシャレードにもデ・トマソ・ターボを設定。欧州仕様の最高出力は68psに限られ、ホットとまでは呼べなかったが、熱い片鱗は表れていた。

手前からダイハツ・シャレード GTtiと、フォルクスワーゲン・ポロ G40
手前からダイハツ・シャレード GTtiと、フォルクスワーゲン・ポロ G40
    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

世代末期にあった1985年の東京モーターショーでは、シャレード 926Rを発表。専用チューニングの926cc 3気筒ターボをミドシップし、競合メーカーを驚かせるに充分だった。世界ラリー選手権グループBの、ホモロゲーション取得がその前提にあった。

ところが、グループBは1986年シーズンで終了。シャレード 926Rは200台が生産されるが、ラリーマシンの活躍の場は失われてしまう。だが、高性能なツインカム12バルブのシリンダーヘッドは、次世代へ受け継がれた。

1.0L当たり100馬力を超えたシャレード GTti

シャレードは1987年に3代目へ一新し、新たにGTtiが設定される。993ccの3気筒ターボにはインタークーラーが与えられ、最高出力は102psへ上昇。量産の1.0Lクラスユニットとして初めて、100馬力を超えたエンジンだった。

14インチ・アルミホイールを履き、車重はオイルやガソリンを含まない乾燥状態で810kg。0-97km/h加速8.2秒というタイムは、1.6Lエンジンのプジョー205 GTIを凌ぎ、ダイハツ初の本格ホットハッチと呼べる速さにあった。

ダイハツ・シャレード GTti(1987~1993年/英国仕様)
ダイハツ・シャレード GTti(1987~1993年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

前後ともマクファーソンストラットの独立懸架サスペンションも、高性能化に有利だった。足回りは引き締められ、リアブレーキはドラムからディスクへアップグレード。エアロキットや左右の繋がったテールライトで、見た目も差別化された。

まだトヨタから独立した経営状態にあり、シャレード GTtiは1989年から1993年にかけてラリーへ参戦。サファリ・ラリーで総合5位を奪うなど、好成績を残している。

フォルクスワーゲンの技術者が選んだスーパーチャージャー

大阪の技術者が、リッターカーの高性能化へ腐心していた頃、ドイツのフォルクスワーゲンは小さなハッチバックのパワーアップを進めていた。彼らが選んだのは、少々前時代的な技術になりつつあった、スーパーチャージャーだった。

ポロのエンジンルームは狭く、排気ガスを利用するターボを押し込むと、熱処理が難しいと判断。スクロール式ユニットで、過給することを決めた。

フォルクスワーゲン・ポロ G40(1989~1994年/英国仕様)
フォルクスワーゲン・ポロ G40(1989~1994年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

これは、自動車の黎明期から存在していた技術。本来は飛行機用エンジンの強化を目的に開発され、小型で搭載しやすく、確かな出力向上が可能だった。

信頼性を高めにくい手法ではあったが、フォルクスワーゲンの技術者は設計を煮詰め、G-ラーダ・ユニットを完成させる。Gは、スクロールの断面が似ていることから充てられた頭文字。ラーダは、ドイツ語で過給機を意味した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・カルダーウッド

    Charlie Calderwood

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ダイハツ・シャレード GTti & フォルクスワーゲン・ポロ G40の前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

Google検索で『AUTOCAR JAPAN』の記事を見つけやすくする方法