スズキ・ビターラ1.6 DDiS 4×4 プロトタイプ

公開 : 2014.11.29 22:30  更新 : 2017.05.29 18:41

■どんなクルマ?

スズキがその勢力をヨーロッパに広げようとするための最新兵器。それがニュー・ビターラだ。市場に投入されるのは来年の4月だが、発表の1ヶ月前にプロトタイプの最終盤をテストすることが許された。

スズキの英国における売上は、この3年間好調で3年前の約2倍の37,500台を売り上げている。昔のスズキとは違い、英国の市場は非常に重要なのだ。それゆえに向こう3年のあいだに6種類の新型モデルを投入する計画があるとスズキは言う。

その先陣を切るのは、経済性を武器にする小型車のセレリオ。そしてそれよりさらに心血を注ぎこんでいるのが、こちらのビターラ。日産ジュークスコダ・イエティなどBセグメント・ライバルを追撃すべく開発されたモデルだ。

スズキは2020年までに100万台のビターラを販売する方針で、この数字にも自信があるという。その理由は1970年から約40年にわたって絶大なる人気を誇るジムニーを生産し続けていることにあるようだ。ジムニーから得たノウハウをビターラにも余すことなく反映させているのだそう。

ボディとインテリアは完全なる新設計で、シャシーは最近デビューしたSX4 S-クロスと共通。エンジンは120psを発生するスズキ製1.6ℓガソリン4気筒と、同じく120psを発生し、2倍のトルクを叩き出す、ガソリン・ユニットよりクリーンな1.6ℓディーゼルが用意される。

■どんな感じ?

サイズはジュークとイエティのあいだといったところ。つまりBセグメントとしては大きめだ。しかし価格はBセグメントSUVの中では良心的。前輪駆動のガソリン・モデルは約£14,000(260万円)、さらに高級な4WDディーゼルは、レーダー・クルーズコントロール機能やオート・シティ・ブレーキ込みで£19,000(353万円)となる。

ボディ・カラーもスズキの標準色に加えて数種類が用意され、黒か白のグリル、都会的あるいは4WDらしい雄々しいルックス、6色から選べるダッシュボードの色など、豊富な選択肢からパーソナライゼーションが可能だ。

いざ路上に出てみれば1.6ℓ DDiSユニットと4WDの組み合わせはとても力強いことがわかる。中速域での加速にも不満を感じることはない。

ステアリングはかなり軽い部類ではあるが、常に握っていないと動作が乱れるというほどではない。また足元の動きはお世辞にも洗練されているとは言えないが、英国の路上にあわせてチューニンがし直されていることはよくわかる。おかげでコントロールしやすく、大きな段差を踏み越えた際も上下動は最小限に抑えられていた。よって全般的には、快適かつ壮健な印象だ。

エンジンはアイドリング中でもその存在を強調したがるが、高速道路の速度域でも高いギアに固定すれば非常に静かだと感じる。ロード/ウインド・ノイズはあるにはあるが、他のライバルに引けを取すことはない。

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