スズキ・ビターラ1.6 DDiS 4×4 プロトタイプ

公開 : 2014.11.29 22:30  更新 : 2017.05.29 18:41

入力に誠実に応えてくれるし、ドライビング・ポジションが快適であることから、運転を楽しめるうえ、長い距離を走ってもクタクタになることはない。今回のテストでは残念ながら悪路を走るチャンスはなかったのだが、乗った感じの印象としてはどんな道でもそつなくこなしてくれそうだ。

また4WDモデルにはトランスミッション・モード・セレクターがそなわっており、オート、スポーツ、スノー、ロックから選択ができる。坂道発進アシスト機能もついている。

スポーツにセットした場合、トルクを最大限に引き出し、コーナリング特性を高めるために出力を後輪優先にする。泥道にはまった場合はロックにセットすれば、トルクが4輪すべてにかかり、空転する車輪にブレーキをかけて助けてくれるはずだ。

スズキがビターラのことをシティ-フレンドリーと呼ぶように、コンパクトなサイズと見晴らしの良さは、混雑した市街地を走るときに頼もしい。ただ、フロントにはかなりの広さがあるのだが、後部座席はさほど広くはない。その分トランクのサイズは広大で、床下にも荷物が入れられるようになっているのだが、ヘッドレストが邪魔をして完全にフラットな空間が作れないのは、このクラスのクルマとしては要改善だと感じた。

■「買い」か?

合理的なクルマであることから、検討する価値は十分にある。

4WDとディーゼル、MTを組み合わせればCO2排出量は111g/kmまで抑えられるため、社用車として使ってもお財布にやさしい。ガソリン・ユニットでも17.5km/ℓの燃費をマークすることからディーゼルならば20km/ℓはいくはずだ。こんな4WDはなかなかない。

日産ジュークのような冒険したデザインに抵抗がある向きは数多にいる。そんな人たちを、ビターラは満足させてくれるだろう。経済性や良心的な価格も加味すれば、いまから販売の開始が待ち遠しい。

(スティーブ・クロプリー)

スズキ・ビターラ1.6 DDiS 4×4 プロトタイプ

価格 £18,900(350万円)
最高速度 193km/h
0-100km/h加速 10.5秒
燃費 20.4km/ℓ
CO2排出量 111g/km
乾燥重量 1295kg
エンジン 直列4気筒1598ccターボ・ディーゼル
最高出力 120ps/3750rpm
最大トルク 32.6kg-m/1750rpm
ギアボックス 6速マニュアル

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