これが新型「エクスプローラー」だ! フォード、欧州専用EVを発売 約760万円から

公開 : 2024.03.28 06:25

フォードが欧州向けEV専用モデル「エクスプローラー」を発売した。VWグループと共同開発、全長4.5m以下のCセグメントSUV、バッテリー駆動など北米向けモデルとは大きく異なる。

欧州専用EV 半年遅れで発売

米国の自動車メーカーであるフォードは、欧州市場向けの新型EV「エクスプローラー」を現地で発売した。英国では3万9875ポンド(約760万円)から販売される。

新型エクスプローラーは当初、2023年秋に発売予定だった。EV用バッテリーの新たな安全規制(国連規則100.3)が導入されたため、半年遅れての発売となった。生産地ドイツのケルン工場は7月以来、休眠状態であった。

フォード・エクスプローラー
フォード・エクスプローラー    フォード

フォードの電動化部門モデルEを率いるマーティン・サンダー氏は、この延期によってエクスプローラーをさらに改良し、より競争力のあるクルマに仕上げることができたと述べた。「半年前に発売するよりも、優れたクルマになっている」という。

新規制に対応したニッケル・マンガン・コバルト(NMC)バッテリーを採用し、これに合わせて車両を再設計した。1回の充電での航続距離も最長605kmと大幅に伸びている(当初500km)。

なお、エクスプローラーという聞き慣れた名称を使用しているが、北米市場で販売される同名のSUVとはまったくの “無縁” であり、基本構造からパワートレイン、デザインまで大きく異なる。

北米エクスプローラーとは何が違う?

欧州向けのエクスプローラーは、フォルクスワーゲン・グループと共同開発されたCセグメントの電動SUVである。同グループのMEBプラットフォームと電気モーター「AP550」を採用している。

ボディサイズは全長4460mm、全幅1870mm、全高1600mm、ホイールべース2770mm。フォルクスワーゲンID.4と近い車格だ。

フォード・エクスプローラー
フォード・エクスプローラー    フォード

後輪駆動の「エクステンデッド・レンジ」では、最高出力286psのシングルモーターと77kWhのバッテリーを採用し、0-100km/h加速6.4秒、欧州WLTPサイクルで航続距離605kmを謳う。英国価格は4万5875ポンド(約880万円)から。

四輪駆動モデルでは、合計出力340psのツインモーターと少し大きめの79kWhバッテリーを使用し、0-100km/h加速5.3秒、航続距離530kmとされている。最大185kWの急速充電に対応し、理論上はわずか26分で10~80%の充電が可能だ。

「スタンダード・レンジ」では、最高出力170psのシングルモーターと小型の52kWhバッテリー、125kWの最大充電速度を備え、価格は3万9875ポンド(約760万円)となる。

また、車両ダイナミクスもかなり重視して開発したという。欧州では、ハンドリングに定評あるフィエスタやフォーカスなどの小型ハッチバックが人気を集めてきた背景がある。

サンダー氏は、「毎日使うクルマなので快適ですが、フォードに期待されるドライビング・ダイナミクスを持っています。快適な乗り心地、つまり日常使いのファミリーカーに期待される乗り心地と、ドライビング・ダイナミクスのバランスがとれている」と述べた。

2020年に発売された電動SUVのマスタング・マッハEでは、メディアや顧客から乗り心地の “硬さ” が指摘されているが、こうしたフィードバックもエクスプローラーに反映したという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事