マツダCX-3 Skyactiv-D 1.5

公開 : 2014.12.16 23:50  更新 : 2017.05.29 19:13

ディーゼルの洗練は合格レベルには達しているものの、静止状態から加速を試みるとやや勢いに欠ける印象がある。ただし、いざ走りだせば無理なく十分な速度が得られ、終始快適性を維持する仕立てになっている。

低速ギア時の柔軟性とトルクが湧き出す回転域の広さがそう感じさせてくれるのだろう。だしぬけにガスペダルを踏み込んでみても、素早くシフトダウンしてくれるおかげで追い越し加速にもどかしさを感じることもない。

現段階ではパフォーマンスやエコノミー・データは公開されていないけれど、同スカイアクティブ・ユニットを積むマツダ2のCO2排出量である90g/km以下という数値は十分に参考になるはずだ。駆動方式やトランスミッションこそ異なるものの、たかい経済性は約束されていると言えよう。

テスト車両のように大径のホイールを履いているにもかかわらず、バンプを乗りこえた際の快適性とハンドリングのバランスは一級品。ハッチバックと同程度のスタビリティを持ち合わせ、SUVのようなボディ・ロールによる不安定要素が一切ないのはCX-3のもっとも強い点だ。

さらにもう1台テストしたのは2.0ℓガソリン・エンジンを載せた前輪駆動のモデル。17km/ℓ台後半(ATの場合)をマークするにもかかわらず、静止状態からの立ち上がりはディーゼルよりも速く感じられた。

16インチのホイールを履いていたものの、安定感が損なわれることはまるでなく、ディーゼル・ユニットよりも鼻先が軽くなる分、ハンドリングはシャープだ。

驚くことに欠点はほとんど見受けられなかった。マツダのクルマといえばロード・ノイズが悩みの種となることが多いものの、兄貴分のCX-5と同様にCX-3は速度が増しても一貫して静かであった。

路面の不正にはESCがやや敏感に介入しすぎるきらいはある一方、介入マナーそのものにも瑕疵は見当たらない。要するにクラス平均を大いに上回る完成度の高さなのである。

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