【グリーンジャーニー発表】 サステナビリティと旅行本来の楽しさを両立!

公開 : 2024.08.21 06:25

8月20日、日産自動車(以下、日産)と日本旅行の2社が発起人となり、「グリーンジャーニー推進委員会」を発足しました。環境省および東北大学と産学官、そして14社が連携した、その取り組みをご紹介します。

旅行者の移動から大量のCO2が発生

意外と知られていないが、世界のCO2排出量の約1割(8~11%)は旅行・観光産業が占めており、その大部分が旅行者の移動から発生している。また、地域の関係人口を増やし、地域の経済・文化においてもサステナビリティに貢献していくことも、観光業には求められるようになっている。

昨今は欧米からのインバウンド観光客を中心にサステナブルツーリズムへの注目度も高まり、そういったツアーも増加しているが、まだ日本国内ではあまり一般化していないのが現状だ。

「グリーンジャーニー推進委員会」発足発表会に登場した冨永愛さん。
「グリーンジャーニー推進委員会」発足発表会に登場した冨永愛さん。    グリーンジャーニー推進委員会

一方で、アフターコロナや円安の影響から国内観光需要は高まってきており、この機会を活かして国内旅行のサステナブル化を推進することができれば、環境や地域に対して大きな貢献が可能と考えられる。

旅行という非日常の体験機会はサステナビリティへの意識を高めるきっかけとなり、日常生活におけるサステナブルの取り組みへの意識や行動変容にも貢献が可能と考えられている。

そこで、2050年にはクルマのライフサイクルでのカーボンニュートラル実現を目指す日産と、「旅」を起点に日常までサステナブルの意識・行動を拡げることを目指す日本旅行とが発起人となって、現在参画している14社が手を合わせ、共通の目標に向かって推進する。それが「グリーンジャーニー推進委員会」だ。

委員会では産学官連携のもと、国内旅行におけるCO2排出削減や環境保全型アクティビティの開発、参画自治体における関係人口の創出、地域文化の発展に取り組み、今回発表された新しい旅のスタイル「グリーンジャーニー」を国内旅行のスタンダードとして持続的に発展させていく。

環境にやさしく、地域はうれしく、自分たちはとことん楽しい旅

前述のように環境配慮を謳ったツアーは増加傾向にあるのだが、実際のところ日本国内においてはまだあまり一般化していないのが現状だ。その背景には、サステナビリティを重視することで、旅行本来の「楽しさ」が不足しているのではないかとグリーンジャーニー推進委員会では考えた。

そこで、今回提案された「グリーンジャーニー」では、「環境にやさしく、地域はうれしく、自分たちはとことん楽しい旅」という考え方のもと、これまでの旅行では体験できなかった地域との交流・体験や、地域で余ってしまった食材などを活用した特別なグルメなどをオプションで盛り込んだ新しいツアーを開発している。

日産と日本旅行が発起人となって、現在参画している14社が手を合わせる。
日産と日本旅行が発起人となって、現在参画している14社が手を合わせる。    グリーンジャーニー推進委員会

さらに新たな旅行体験を提供するため、LINEのミニアプリも開発した。LINEのスタンプラリー機能を用いて訪問した場所でスタンプを貯めると、日常利用できるサステナブルなアイテムなどさまざまなグッズと交換できるほか、各訪問場所に設置された二次元バーコードを読み取ると、その地域の伝統文化や地域のサステナビリティに関する情報を読むことができる仕組みも作られた。

今回、第一弾として販売開始されるツアーは、「熊本阿蘇」と「伊勢志摩」の2つ。日本旅行の各店舗(一部取り扱いしていない店舗もあり)または予約特設サイトにて、8月20日(火)10時30分から予約販売を開始する。ツアーの出発日は、9月27日(金)よりスタートする。

では、2つのツアーについて、もう少し具体的に紹介していこう。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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