【世界初で世界最高!?】 『RECAMP富士スピードウェイ』がオープン

公開 : 2024.09.20 06:25  更新 : 2024.09.21 08:21

2024年9月20日、富士スピードウェイの100R内側に、常設キャンプ場がオープンしました。グレード1サーキットのインサイドエリアに設置されるのは、世界初のことだそうです。

キャンプのプロの力を借りて

富士スピードウェイは、『富士モータースポーツフォレスト・プロジェクト』の新施設として『RECAMP富士スピードウェイ』をオープン。9月20日の開業を前に、ひと足早く見学させていただいた。

F1が開催可能なFIA国際公認のグレード1サーキットの中でも、インサイドエリアに常設の宿泊施設が設けられたのは初めてのことだという。

富士スピードウェイに9月20日、『RECAMP富士スピードウェイ』がオープン。
富士スピードウェイに9月20日、『RECAMP富士スピードウェイ』がオープン。    平井大介

そもそもモータースポーツファンにとっては、サーキット内にテントを張って宿泊する風景は馴染み深いもの。レースの実況放送を見ていても、コース脇の芝生や法面に構えられたテントたちは見慣れた景色だろう。

富士スピードウェイでも場内宿泊の歴史は古く、きっかけは2002年のスーパーGTだったという。あまりの人気で周辺道路の渋滞がひどく、予選日からゲートを開けて留め置きできるようにしたのが始まりだった。

最初は車中泊だったが、20年以上かけて少しずつより快適に過ごせるように工夫を重ねたモータースポーツファンたちが、富士スピードウェイの豊かな自然と満天の星に気が付き、宿泊自体を楽しむようになっていった。

そこで、より魅力的な宿泊施設として整えるべく、富士スピードウェイ関係者が力を借りたのが、キャンプの専門家である『R.project』だった。全国19ヵ所のキャンプ場運営を手掛ける同社が、キャンパーの目から見て快適な場所、仕様を提案。両社で2年をかけて作り上げたのが、この『RECAMP富士スピードウェイ』なのだ。

昼間の興奮と夜間の静寂

今回、キャンプ場設置場所として選ばれたのは、100Rのコーナー内側。生い茂った林が極力そのまま残されたU字型スペースに、14棟の建物と22ヵ所のキャンプサイトが設えられた。

ここ、実際足を運ぶと面食らうくらい、本当にコースギリギリの場所だ。この日も平日ながら走行会が行われ、ポルシェスープラが元気いっぱいコーナーをすべりまくっていたが、その迫力たるや、富士スピードウェイで一番の特等席と言えるほどの光景だ。

キャンプ場設置場所として選ばれたのは、100Rのコーナー内側。
キャンプ場設置場所として選ばれたのは、100Rのコーナー内側。    平井大介

しかし、ひとたび走行が途切れれば、木々を渡る風と遠くに連なる箱根の山々を満喫できる、理想的なキャンプスペースなのだと気づかされる。

まさにこれが、『RECAMP富士スピードウェイ』の最大の魅力。”昼間の興奮と夜間の静寂が交差する刺激的な非日常体験”という、ここ、富士スピードウェイでしか得られない経験ができるのだ。

実際、100Rキワキワだとしても、マシンはたいていアウト側へ振られるから、イン側で見ていて恐怖感はまったくない。特に、2棟あるルーフデッキ付きのキャンプサイトからの景色は圧巻。高性能カメラと望遠レンズを調達したくなること必至だ。

日が暮れてレースが終われば、今度はそのレンズで、夕日に染まる富士山を撮れる。周囲数kmに渡って民家がない富士スピードウェイの内側で満天の星を眺める時間。想像しただけでため息が出る。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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