ランボルギーニ・アヴェンタドール・スーパーヴェローチェ公開

公開 : 2015.03.03 22:45  更新 : 2017.06.01 02:10

ランボルギーニアヴェンタドールのラインナップに軽量かつ出力を高めたモデル、スーパーヴェローチェ(SV)が加わった。

アヴェンタドールLP750-4 SVについてランボルギーニは「当社の精神を具現化したこれまでで最もピュアなモデル」と表現しており、より過激なルックスと徹底的に追い込んだシャシーが与えられている。高回転型の自然吸気V12エンジンを採用したほか、車両重量はカーボンファイバーの使用率を高めたことで、ベースとなるアヴェンタドールLP700-4クーペの1575kgと比較して50kg減量することに成功した。

SVの心臓部には強力な6.5ℓV12エンジンが搭載され、8400回転で750psを発揮。700psを生み出すアヴェンタドール標準モデルから大きな出力アップが実施された。これは可変バルブタイミングおよび可変インテークシステムを最適化したことによるものである。最大トルクは、標準モデルと同じ5500回転で70.1kg-mという値であるが、エンジン自体が8500回転まで回転するようになった。

今回の出力アップと軽量化にくわえ、エアロダイナミクスの改良が行われたことにより、0-100km加速は2.8秒となり、2.9秒だった標準モデルよりもタイム刻むことに成功した。最高速度は350km/h以上で馬力荷重比は492ps/tという値だ。

7速オートメイテッド・マニュアル・ギアボックスは標準モデルから継続して採用となった。ランボルギーニの話によれば、排気系を見直したことによりこれまでよりも多様な “ミュージック” を奏でるようになったという。

トルクを前後に配分するハルデックスの4輪駆動システムも継続採用された。リアにはセルフロッキング・デフ、フロントにはESPシステムと連携した電子制御デフを搭載する。

ドライブ・セレクト・システムは “ストラーダ”、”スポーツ”、”コルサ” という3モードが用意され、これによりエンジン、トランスミッション、デフの反応、ハンドリングとステアリング・フィールが変更される。

また、エンジンベイのカバー、リアウィング、ウィングパネル、インテリアのドアパネル、バケット・スポーツシート、エアインテークといったカーボンファイバー・パーツは採用したことにより重量は抑えられた。

プッシュロッド・サスペンション・システムにはホリゾンタル磁性流体ダンパーを採用。これによりブレーキング時のダイブとボディ・ロールが打ち消され、ステアリングとハンドリングの反応がさらに高まると言われている。このほか、ランボルギーニ・ダイナミック・ステアリングと呼ばれる新開発の電気機械式ステアリング・システムがアヴェンタドールSVには採用される。

外観で一番目に留まるのは巨大なリア・ウィングで、これはマニュアル操作により3段階にポジション変更することができる。このウィングの効果によってエアロダイナミクス特製とダウンフォースを高めながらも、ドラッグの増加が抑えられているという。

華飾を最小限に控えたインテリアは、シートやキャビン内の各所にカーボンファイバー織物素材を採用したことが特徴になっている。カーボン・スキンと呼ばれるランボルギーニの自社開発素材は柔らかく最も軽量なマテリアルでありながら、高い耐摩耗性を併せ持っているという。

英国向けの価格はまだ未発表だが、£295,000(5300万円)ほどになると言われている。

ランボルギーニの研究開発部門取締役マウリツィオ・レッジャーニとの一問一答

アヴェンタドールSVが目指すものは何でしょう?

「スーパースポーツの頂点と呼べる、他にはない存在になることですね。アヴェンタドール以上の存在を作り出すのはとても困難なことでしたが、デザインや空力を極限まで見直してわれわれは成し遂げました。」

走りはどんな感じでしょうか?

「標準モデルにくらべ50kgの軽量化と50psの出力アップしています。すべてのドライバーが、コーナリングの際にアジリティとスタビリティを感じとることができるでしょう。」

エンジンのサウンドはどんなものでしょうか?

「アグレッシブでより荒々しいものに仕上げました。」

自然吸気V12エンジンに将来はあるのでしょうか?

「われわれのエンジニアには経験と正しい知識があります。V12というものを極限までプッシュし、再定義し続けます。物理的な限界は存在しますが、潜在的な伸びしろがあると、われわれは考えております。」

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