隠れた傑作発見! シトロエンe-C4 マックス(2) 気を使わない乗り方でもカタログ値に迫る電費 快適性はクラス随一

公開 : 2026.05.08 18:10

413kmと充分な航続距離に、クラス随一の快適性で穏やかに移動できる、シトロエンe-C4。休暇で乗ったC4の好印象は、本物といえるのでしょうか? UK編集部が日常での実力を確かめました。

普段使いで得られた12.8km/kWhの電費

シトロエンe-C4は、駆動用モーターの出力特性も賢明。発進時にアクセルペダルをうかつに踏み込んでも、フロントタイヤが空転することはない。

それでいて、郊外の幹線道路を不満ない加速力で処理できる。エコとノーマル、スポーツと、ドライブモードは3種類あり、エコ・モードでは航続距離が1割ほど伸びる。同時に、右足をしっかり倒せば、本来の156psを引き出せるのも好ましい。

シトロエンe-C4 マックス(英国仕様)
シトロエンe-C4 マックス(英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

エネルギー効率は優秀で、ノーマル・モードのままでも充電のタイミングに悩む必要性は少ない。週末の予定を済ませた夕方、12.8km/kWhに届いていた。高速道路で遠くを目指す場合も、急速充電器へトイレ休憩のタイミングで繋げば、ストレスを減らせる。

気を使わない乗り方を1週間ほど続けても、電費はカタログ値へ迫った。空力に優れるボディと、バッテリーEVとしては軽い1571kgの車重が、威力を発揮したに違いない。

クラス随一の快適性で穏やかに移動できる

操縦性は、フォルクスワーゲン・ゴルフプジョーE-308などには届かない。積極的にカーブへ飛び込み負荷を加えると、シャシーの限界はさほど高くないことを滲ませる。

そのかわり、サスペンションには油圧バンプストッパーが実装され、走行中の滑らかさは該当クラス随一。ロールス・ロイスベントレーなどを除き、ここまでコンフォート志向な足まわりを与えているメーカーは思い浮かばない。

シトロエンe-C4 マックス(英国仕様)
シトロエンe-C4 マックス(英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

自慢できるほどの技術構成ではないかもしれないが、ダンパーの減衰特性も煮詰められ、走りの洗練度は明らかに高い。望んだスピードで、心地良く先を急げる。

e-C4は、肩の力を抜いて、周囲の流れに合わせて、穏やかに移動するのが向いている。これは今の時代、多くのドライバーが求める特性ではないだろうか。

シトロエンの隠れた傑作と呼びたい

初代C4は、世界ラリー選手権で4回もドライバーズタイトルを奪い、ターマック・ステージで常勝といえたが、市販車は優しいハッチバックだった。特別仕様のC4 バイ・ローブでも。ピカソやカクタスといった派生モデルも、個性的で魅力的だったけれど。

最新のe-C4でも、真価が発揮されるのは、市街地や住宅地を何気なく走らせている時。高めの目線で視界は広く、ボディは大きすぎず取り回しが良い。優しいサスペンションが、ツギハギだらけのアスファルトを滑らかに処理してくれる。

シトロエンe-C4 マックス(英国仕様)
シトロエンe-C4 マックス(英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

インテリアも、そんな雰囲気へ調和している。至って運転しやすく、弱点を探すのに苦労するほど。

夢心地なカナリア諸島での休日だけでなく、グレートブリテン島の日常でも、筆者はC4を好きになれた。C3 エアクロスやベルランゴも良いクルマだが、シトロエンの隠れた傑作だと呼んで良い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブン・ドビー

    Stephen Dobie

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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