【eスポーツからモータースポーツへ】マツダが導くバーチャルからリアルへの道!

公開 : 2025.05.08 13:05

マツダは長年参加型モータースポーツに力を入れてきました。その一環として、最近はeスポーツからもスーパー耐久シリーズへステップアップを目指せるプログラムを展開しています。その活動内容を高桑秀典がまとめました。

グラスルーツレースの維持、発展に努めてきた

マツダのモータースポーツ史を紐解くと、1960~1990年代は商品ラインナップおよび技術力の高さをアピールするために世界ラリー選手権やル・マン24時間レースに挑んできた。

2000年頃からは『Zoom-Zoom』というブランドコンセプトを掲げ、ユーザーに心ときめくドライビング体験を提供する商品造りを目指し、『グラスルーツレース』に軸足を置くようになった。

2025年のスーパー耐久ST-5クラスに参戦するマツダ・スピリット・レーシング・ロードスター。
2025年のスーパー耐久ST-5クラスに参戦するマツダ・スピリット・レーシング・ロードスター。    マツダ

グラスルーツとは、 参加型、一般大衆、草の根のことで、マツダは20年継続したグラスルーツレースを大切にする姿勢を2021年以降も継続。その維持、発展に努めつつ、同時に将来技術への挑戦、市販車へのフィードバック、人材および技術を鍛えることを進めてきた。

Zoom-Zoomを旗印として、マツダはユーザーにモータースポーツへの参加の機会を提供し続けているが、その中心となったのがロードスターだ。

現在、技量レベルやニーズに応じた走る場として、『ロードスターパーティレースIII』、『マツダファン・サーキットトライアル』、『マツダファン・エンデュランス』(通称マツ耐)といった愛車で参戦できるコンテンツを複数用意している。

その一方でマツダは技術開発、人材育成、未来への挑戦などを目的としてモータースポーツにおけるワークス活動も展開しており、スーパー耐久シリーズのST-Qクラスで、ガソリン代替のカーボンニュートラル燃料と軽油代替のバイオディーゼル燃料で走るマシンを投入している。

2021年にマツダ・スピリット・レーシングが発足

マツダが大切にしている走る歓びを提供する参加型グラスルーツレースと、ワークス活動の場となるファクトリーモータースポーツをつなげるものとして、2022年に誕生したのが『倶楽部マツダ・スピリット・レーシング』だ。『共に挑む』というスローガンのもと、ユーザーと一緒にマツダ車を取り巻く世界が盛り上がっていくことを目指している。

モータースポーツをより身近な存在として気軽に楽しんでもらうことをテーマにしているこの倶楽部は、2021年に発足したモータースポーツサブブランド、『マツダ・スピリット・レーシング』の活動を軸にしている。

筑波サーキットで開催されたリアルサーキット体験会の様子。
筑波サーキットで開催されたリアルサーキット体験会の様子。    マツダ

その活動は、『チーム・マツダ・スピリット・レーシング』としてモータースポーツに参戦。グラスルーツレースだけでなく、何とeスポーツからもスーパー耐久シリーズへのステップアップを目指せる『マツダ・スピリット・レーシング・チャレンジプログラム』の展開で、2025年もふたつのプログラムが用意された。

『チャレンジプログラム-1』は、スーパー耐久シリーズへの道で、『チャレンジプログラム-2』はバーチャルからリアルへの道だ。

前者はロードスターパーティレースIIIのジャパンツアーシリーズや富士チャンピオンレースロードスターカップからスーパー耐久シリーズのドライバーとして昇格する流れで、後者はeスポーツからレースのエントリークラスとなるマツダファン・エンデュランスに参戦するスキームとなる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    高桑秀典

    Hidenori Takakuwa

    1971年生まれ。デジタルカメラの性能が著しく向上したことにより、自ら写真まで撮影するようになったが、本業はフリーランスのライター兼エディター。ミニチュアカーと旧車に深い愛情を注いでおり、1974年式アルファ・ロメオGT1600ジュニアを1998年から愛用中(ボディカラーは水色)。2児の父。往年の日産車も大好きなので、長男の名は「国光」。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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