【究極のND降臨】マツダ・スピリットレーシング初の市販車登場!ロードスター先着2200台、商談予約抽選『12R』200台限定

公開 : 2025.10.04 11:30

マツダは10月4日、『マツダ・スピリットレーシング』初の市販車である、『ロードスター』(2200台)と『ロードスター12R』(200台)の予約受注を10月24日から開始すると発表しました。高桑秀典がレポートします。

ソフトトップモデルがついに2L搭載

マツダは10月4日、モータースポーツ活動におけるサブブランド、『マツダ・スピリットレーシング』初の市販車である、『マツダ・スピリットレーシング・ロードスター』と『マツダ・スピリットレーシング・ロードスター12R』の予約受注を10月24日から開始すると発表した。

前者が2200台、後者が200台の限定となる。発売は2026年1月上旬の予定だ。

マツダ・スピリットレーシング初の市販車、ロードスター12R(手前)とロードスター(奥)。
マツダ・スピリットレーシング初の市販車、ロードスター12R(手前)とロードスター(奥)。    高桑秀典

ND型と呼ばれる現行『マツダ・ロードスター』がデビューしたとき、エンジンの排気量が1.5Lであることに驚いたファンが少なくなかった。

実際に乗ってみるとエンジンが気持ちよく回り、排気量が小さくて絶対的なパワーがなくても楽しいスポーツカーをマツダが提案したかったことはすぐさま理解できたが、先代にあたるNC型が2Lだったこともあり、少し意外だったのだ。

軽快なND型ならではの人馬一体の走りは、公道での街乗りはもちろん、サーキット走行においても数多くのクルマ好きを魅了しているが、そのような高評価がある一方で、ファストバックスタイルのロードスターRFのみならず、ソフトトップモデルにも2Lエンジンを搭載してほしいという声もマツダに届き続けていた。

しかし、そう簡単に積めるものではなかった。技術的には容易だが、マツダはND型の導入時にソフトトップモデルには2Lエンジンを載せないと宣言していたからだ。

その後、主査が変わったからといって、はい、2Lとはいかず、マツダは排気量アップの好機を狙っていた。そして、スーパー耐久シリーズに参戦することで培った技術を投入したクルマを造ることになり、晴れて2Lエンジンを積んだロードスターのソフトトップモデルが誕生したのであった。

初の市販車として1月上旬から発売開始

マツダ・スピリットレーシング初の市販車となる今回の2台は、マツダの社内でスーパー耐久シリーズに関わった経験豊富なエンジニアたちが集められ、開発を担当。レース活動で培った技術が惜しみなく投入された。

また、パワートレインや車体の進化を市販車へと反映し、速さだけではなくいいクルマに乗っていることを感じてもらうために、内外装の質感にも妥協することなくこだわっている。

こちらはマツダ・スピリットレーシング・ロードスター。2200台先着販売。
こちらはマツダ・スピリットレーシング・ロードスター。2200台先着販売。    高桑秀典

あくまでも市販車なので、サスペンションをガチガチにすることなく、街中でもクローズドコースのスポーツ走行でも楽しく走れることを目指して開発。最高出力200ps(開発目標値)エンジンを積んでいる『12R』は、フルバケットシートをはじめとするサーキット走行を存分に楽しむための技術や装備を搭載した、いわばメーカーコンプリートモデルである。

最高出力の向上は、吸気ポートの形状変更、『匠エンジニア』が手作業を行う吸気ポート内側研磨による空気抵抗吸入空気量の増加および出力&レスポンス向上、フレッシュエアダクトの大型化、カム形状の変更、エキゾーストマニホールドの4-1排気化およびガラス繊維バンテージとステンレスメッシュの採用によるものだ。

一方の『マツダ・スピリットレーシング・ロードスター』は、ロードスターRFと同じスペックとなる最高出力184psの2Lエンジンを積んでおり、車両重量が『12R』よりも20kg重い1070kgとなる。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    高桑秀典

    Hidenori Takakuwa

    1971年生まれ。デジタルカメラの性能が著しく向上したことにより、自ら写真まで撮影するようになったが、本業はフリーランスのライター兼エディター。ミニチュアカーと旧車に深い愛情を注いでおり、1974年式アルファ・ロメオGT1600ジュニアを1998年から愛用中(ボディカラーは水色)。2児の父。往年の日産車も大好きなので、長男の名は「国光」。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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