【苦難に屈せず】独ヴィーズマン、新型EVロードスター発売に向け奮闘中 関税の壁

公開 : 2025.05.30 07:45  更新 : 2025.05.30 15:25

ドイツのスポーツカーメーカーであるヴィーズマンが開発した新型EV『サンダーボール』、その発売が供給と関税の問題により遅延しています。しかし、発売に向けたプロジェクトは今でも継続しているようです。

発売遅延にも負けず

ドイツのスポーツカーメーカー、ヴィーズマン(Wiesmann)が2022年に発表した電動ロードスター『プロジェクト・サンダーボール』は、発売に遅れが生じている。しかし、ヴィーズマンは依然として、市場投入に向け意欲を失っていない。

サンダーボールは、経営難に陥っていたヴィーズマンが国際的なIT企業であるコンテック・グローバルに買収されてから6年後の2022年に発表。販売価格は25万2000ポンド(約5000万円)とされ、2024年の発売を予定していた。

ヴィーズマン・プロジェクト・サンダーボール
ヴィーズマン・プロジェクト・サンダーボール    ヴィーズマン

リアアクスルに2基の電動モーターが搭載され、システム合計で680ps、112kg-mを発揮する。車重は約1700kgながら、0-100km/h加速は2.9秒とされる。また、83kWhのバッテリーにより、最大航続距離は約500kmと公表されている。

AUTOCARは、2022年にこのプロトタイプに試乗している。その際に、「圧倒的なパフォーマンスとクラシックなドライブ・フィールが、絶妙なバランスで融合された将来有望な1台」と評価していた。

しかし、ここにきて発売は大幅に遅延している。同社の戦略責任者であるジャスプリート・アフジャ氏は取材に対して、「深刻な供給網(サプライチェーン)の問題」に直面しており、それに加えて「関税制度の変更による混乱が、我々のような小規模メーカーにとって大きなハードルとなっています」と語った。

それでも、ヴィーズマンの姿勢は揺るがない。アフジャ氏は、「我々は引き続きサンダーボールの量産化に注力しており、年末までには何らかの新情報をお届けできると思います」と述べた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    クリス・カルマー

    Kris Culmer

    役職:主任副編集長
    AUTOCARのオンラインおよび印刷版で公開されるすべての記事の編集と事実確認を担当している。自動車業界に関する報道の経験は8年以上になる。ニュースやレビューも頻繁に寄稿しており、専門分野はモータースポーツ。F1ドライバーへの取材経験もある。また、歴史に強い関心を持ち、1895年まで遡る AUTOCAR誌 のアーカイブの管理も担当している。これまで運転した中で最高のクルマは、BMW M2。その他、スバルBRZ、トヨタGR86、マツダMX-5など、パワーに頼りすぎない軽量車も好き。
  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    小河昭太

    Shota Ogo

    2002年横浜生まれ。都内の文系大学に通う現役大学生。幼いころから筋金入りのクルマ好きで、初の愛車は自らレストアしたアウトビアンキA112アバルトとアルファロメオ2000GTV。廃部になった自動車部を復活させようと絶賛奮闘中。自動車ライターを志していたところAUTOCAR編集部との出会いがあり、現在に至る。instagram:@h_r_boy_
  • 編集

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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