『貝殻マーク』捲土重来なるか? エンジンオイルの世界トップブランド『シェル』が、一般ユーザー向けブランディング活動を本格化

公開 : 2026.05.08 17:05

去る3月26日、週末にF1日本グランプリ決勝開催を控えた鈴鹿サーキットのホテルにて、シェル・ルブリカンツ・ジャパンがメディア向けに『シェル・ヒリックス新商品発表会』を開催しました。参加した編集部ヒライのレポートです。

シェルの現状を知るための取材会

去る3月26日、週末にF1日本グランプリ決勝開催を控えた鈴鹿サーキットのホテルにて、シェル・ルブリカンツ・ジャパンが主催するメディア向けの『シェル・ヒリックス(HELIX)新商品発表会』と、シェル・グループが主催する『シェル・チャンピオンシップ・クラブ2026前夜祭』が行われ、筆者も参加することができた。

案内が来た時点で気がついたのは、大変失礼ながら、シェルに対するイメージが数年前で止まっていることだ。だから、今回の取材はその現状を知るという意味で、とても興味深いものとなった。

『シェル・チャンピオンシップ・クラブ2025前夜祭』に登場したスクーデリア・フェラーリのF1パイロットたち。胸には貝殻マークが入っている。
『シェル・チャンピオンシップ・クラブ2025前夜祭』に登場したスクーデリア・フェラーリのF1パイロットたち。胸には貝殻マークが入っている。    平井大介

ちょうど10年前となる2016年、ロイヤル・ダッチ・シェルが保有する昭和シェル石油の株式が、出光興産へ譲渡された。2019年には、出光興産と昭和シェル石油が経営統合。出光興産として新たにスタートを切っている。

その後、2021年から2023年頃にかけて、全国にあるシェルのサービスステーション(ガソリンスタンド)が、アポロステーションへと順次リニューアル。日本のガソリンスタンドから、貝殻マークでお馴染みだったシェルの看板がなくなってしまったのだ。

つまり、『数年前で止まっている』とは2023年頃のことで、そのイメージギャップを埋めるのが、本稿の目指すところとなる。

日本におけるシェルの起源は1900年

日本におけるシェルの起源は、1900年に横浜で貿易業を行っていた『サミュエル商会』が石油部門を独立させ、『ライジングサン石油』が誕生したことにある。初期から貝殻マークが使用され、1910年代には『赤貝印』、『黒貝印』ブランドでガソリンが販売されていた。

戦後になると『シェル石油』と名を改め、1985年に昭和石油と合併して『昭和シェル石油』となり、2019年に出光興産と合併したことで、日本でガソリン販売におけるシェルの系譜が消滅……という流れだ。

メディア向けに開催された『シェル・ヒリックス新商品発表会』では、ルクレール選手とハミルトン選手が出演するテレビCMが紹介された。
メディア向けに開催された『シェル・ヒリックス新商品発表会』では、ルクレール選手とハミルトン選手が出演するテレビCMが紹介された。    シェル・ルブリカンツ・ジャパン

一方、2016~2017年に行われた昭和シェル石油の会社分割により『潤滑油・グリースの研究開発/製造/販売事業を承継』したのが、2017年11月に発足した『シェル・ルブリカンツ・ジャパン』。2021年1月にはシェル・グループの一員となっている。つまり、ガソリンスタンドの看板からは名前が消えたが、その活動が止まったわけではないのだ。

現在同社が取り扱う商品は、ディーゼルエンジン油、ガスエンジン油、自動車用ギア油、船舶用潤滑油、工業用潤滑油、グリース、航空用潤滑油、そしてガソリンエンジン油の『シェル・ヒリックス』となる。

シェル・ヒリックスは、グローバル潤滑油市場において19年連続世界ナンバーワンサプライヤーに選出というデータもある、まさに世界のトップブランド。F1チームである『スクーデリア・フェラーリ』のパートナーを長年務めていることでも知られる。

今回、日本グランプリ開催に合わせた理由がまさにそこで、世界各国から招待された販売店関係者に対する表彰が行われた『シェル・チャンピオンシップ・クラブ2025前夜祭』に、F1パイロットであるシャルル・ルクレール選手とルイス・ハミルトン選手が登場したのだ。この度、両選手が出演するテレビCMも製作されている。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

関連テーマ

おすすめ記事