ジープ電動化の羅針盤に? コンパス・フルエレクトリック 新たな挑戦 際立つ方向性も欲しい

公開 : 2025.10.21 19:05

モーターで出だし活発 サスペンションは硬め

速さでジープを選ぶ人は少ないと思うものの、バッテリーEVだから出だしは活発。0-100km/h加速は8.5秒とまずまず。車重は2185kgあるが、214psの駆動用モーターが不満なく走らせる。最大トルクも34.9kg-mと太い。

ステアリングホイール裏のパドルで回生ブレーキの強さを切り替えられ、ワンペダルドライブにも対応。速度調整しやすく感じた。

ジープ・コンパス・フルエレクトリック・ファーストエディション(欧州仕様)
ジープ・コンパス・フルエレクトリック・ファーストエディション(欧州仕様)

ちなみにハイブリッドは、1667kgで143ps。0-100km/h加速は10.3秒で、エンジンノイズがやや耳につく印象だった。6速ATのマナーも、もう少し磨けるだろう。駆動用バッテリーは0.9kWhでモーターは28psと、電動のアシスト量も限られる。

ステアリングホイールの感触は薄く、タイヤはミシュランe-プライマシーを履くが、グリップ力は控えめ。カーブを素早く巡る気にはなりにくい。サスペンションは硬めで、低域ではコツコツと揺れが届き、強い入力には減衰力が不足気味なようだ。

妥当な価格 もっと際立つ方向性が欲しい?

電費は、気ままに走らせて4.8-5.7km/kWhがモニターへ表示されていた。1度の充電で走れる現実的な距離は、370kmから410km程度と考えられる。

先行して英国市場へ投入されるのは、ファーストエディション。装備は充実しているが、サンルーフにプレミアムオーディオ、アダプティブ・クルーズコントロールなどはオプションとのこと。英国価格は、3万9200ポンド(約776万円)と告知されている。

ジープ・コンパス・フルエレクトリック・ファーストエディション(欧州仕様)
ジープ・コンパス・フルエレクトリック・ファーストエディション(欧州仕様)

発表時の広報資料では、冒険や能力といった言葉が多用されていた、3代目コンパス。電動版は妥当な価格で完成度も低くなさそうだが、もっと際立つ方向性が表れていても良いように思う。市場はどう反応するだろうか。

◯:活発によく走る 広い荷室
△:もう少し際立つポイントが欲しい

ジープ・コンパス・フルエレクトリック・ファーストエディション(欧州仕様)のスペック

英国価格:3万9200ポンド(約776万円)
全長:4552mm
全幅:1895mm
全高:1675mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:8.5秒
航続距離:500km
電費:5.7km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:2185kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:73.7kWh
急速充電能力:160kW(DC)
最高出力:214ps
最大トルク:34.9kg-m
ギアボックス:1速リダクション/前輪駆動

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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