メルセデス-AMG GT S エディション1

公開 : 2015.04.20 23:50  更新 : 2017.05.23 16:44

SLSの ’美味しいところ’ だけを搾りだしたクルマ、それがメルセデス-AMG GT Sだ。

■どんなクルマ?

「メルセデスにしちゃあ、かなり不良っぽいね」と漏らしたのは取材に同行したフォトグラファー。たしかにこの10年のあいだにメルセデスが進めてきた ’いかにも男性的な’ デザイン言語の集大成にさえ感じる。

リア臀部は911よりもギュっと引き上げられているが、その他の部分は下から睨み上げるかのように低くセットされている。

後ろから見た際の目つき(テールランプ)なんぞ、もはやクラブの入り口に無言で立ちはだかる、首ががっしりと太い用心棒そっくりである。

■どんな感じ?

多くのヨーロピアン・マッスル・カーがそうであるように、GTも2シーターの形式を採り、どこからどうみても分厚い札束と地球にやさしくなさそうな香りを振りまいている。

いざシートに体をおさめてみると、そこにはドライバーをぐるりと囲うように配されたダッシュボードが広がる。”妥協は一切しておりません” とコメントするデザイナーの誇らしげな顔が浮かんでくるほどだ。

センター・コンソールはそんじょそこらの城壁よりも分厚く、その上にはこれから爆撃でもおこなうのかと思えるほどの重厚感あふれるボタンが左右4つずつ等間隔で並んでいる。

そのうちの一つは、C、S、S+、レースの4モードを切り替えるためのもので、一般道を走るかぎり、(よほどのファンタジスタでないならば)95%のシチュエーションでCとSのみしか使わないはずだ。

ターボチャージドV8の咆哮は、戦闘機をもビビリあがらせるほどのけたたましさ。音だけを聴いているかぎり、これから滑走路を離陸して空へ解き放たれると勘違いしたとしても不思議ではない。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記